出版社を探す

地域づくりの経済学入門

増補改訂版

地域内再投資力論

著:岡田 知弘

紙版

内容紹介

待望の全面リニューアル!
「コロナショック」は病床や保健所削減の誤り、そして東京一極集中の危険性をはっきりと示した。これは住民の健康で豊かな生活を置き去りにした行財政政策の過ちだといえる。新自由主義的な構造改革による経済システムが脆弱性を示したということだ。いまあらたに、地域住民の自治による「地域内再投資力」=地域内で繰り返し再投資する力が求められている。つまり、人間の生活領域から経済を考えなければならない。

目次

はじめに(初版)
増補改訂版 はじめに
Ⅰ部 現代の地域づくりを考える
第1章 地域と地域づくり
1 人間の生活の場としての地域
2 資本主義時代における自然と人間、都市と農村
3 地域づくりをめぐる対抗軸
第2章 経済のグローバル化と地域の変貌
1 地域づくりの正しい処方箋を書くために
2 現代日本の歴史的位置
3 就業構造の転換
第3章 地域社会の持続可能性の危機
1 何が地域経済を衰退させているのか―「二重の国際化」の進行―
2 社会的安定性の動揺
3 大災害の時代と高まる「生存の危機」
Ⅱ部 地域開発政策の失敗から学ぶ
第4章 戦後地域開発政策の展開と地域
1 国土政策、地域政策とは何か
2 国土総合開発法体制の成立
3 高度経済成長と全総・新全総
4 三全総(七七年)から四全総(八七年)へ
5 経済のグローバル化と国土開発政策の転換
6 「増田レポート」と「地方創生」・国土形成計画の見直し
7 「多国籍企業立地促進型」国土政策の矛盾と限界
第5章 プロジェクト型地域開発と地域
1 プロジェクト型開発の登場とその背景
2 民活型関西新空港の建設
3 空港建設で地域経済は豊かになったのか
4 なぜプロジェクト型開発で地域が豊かにならないのか
第6章 企業誘致で地域は豊かになるのか
1 企業誘致の夢と現実
2 「先端化」神話の虚実
3 誘致企業の利益はどこにいくのか
4 企業誘致は地域活性化の切り札か
Ⅲ部 地域内再投資力と地域内経済循環
第7章 地域開発から地域の持続的発展へ―地域内再投資力―
1 地域の「活性化」とは何だろうか
2 地域の持続的発展と地域内再投資力
3 地域内再投資力と地方自治体
4 災害と復興を地域内再投資力論からとらえる
5 「成長の管理」から学ぶ
第8章 「一村一品」から地域内産業連関の構築へ
1 大分県「一村一品」運動の限界
2 大山町での「一村多品」型地域づくりの展開過程
3 地域内経済循環の形成と地域社会の持続的発展
4 由布院のまちづくりと地域内経済循環
第9章 小さいからこそ輝く自治体―地方自治と地域づくりの原点を探る―
1 人口小規模自治体は「不効率」で無能力なのか
2 小さくても輝く自治体フォーラム運動と長野県栄村での地域づくり
3 産業と福祉とつなぐ地域づくり
4 地域内再投資力と地域住民主権
5 小さいからこそ輝く自治体の広がり
第10章 都市の「空洞化」とまちづくり
1 都市部での産業空洞化とコミュニティの衰退
2 大都市製造業の再生と共同受注の組織化
3 商店街再生への新しい挑戦
4 地方自治体による多数者のための新しい地域政策の広がり
Ⅳ部 地域内再投資力と地域住民主権
第11章 市町村合併で地域は豊かになったのか
1 「平成の大合併」をふりかえる
2 「グローバル国家」への国家改造と自治体大再編
3 市町村合併で地域は「活性化」したのか
4 合併で住民サービス・自治機能は高まるのか
5 住民自治の空洞化と小規模自治体
第12章 地域づくりと地域住民主権
 1 グローバル化と地域住民主権
 2 合併問題を契機にした住民投票の歴史的広がり
 3 広域自治体で広がる新たな住民自治の仕組みとせめぎあい
 4 地域住民主権と学習の重要性
 5 地域から国の未来を創る
増補改訂版 あとがき
あとがき(初版)

著者略歴

著:岡田 知弘
1954年富山県生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。
岐阜経済大学講師、助教授、京都大学大学院経済学研究科教授を経て、
現在、京都橘大学教授、京都大学名誉教授、自治体問題研究所理事長。

ISBN:9784880377117
出版社:自治体研究社
判型:A5
ページ数:404ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2019年06月
発売日:2020年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN