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ストレスマネジメント

実践的セルフケア

監:山本 晴義
著:押川 聖子

紙版

内容紹介

監修のことば

本書「ストレスマネジメント入門-実践的セルフケア」は、これからメンタルヘルスのセルフケアを学び実践しようとする学生、社会人等をはじめとしたすべての人に向けて作成されたものです。
まず、ストレスとは何か、ストレスが原因で起こる病気について考えます。ストレスについて知ることはストレスケアの第一歩となるからです。次に、交流分析を用いて自己理解を深め、自分にあったストレス対処法を探っていきます。さらに日頃のコミュニケーションや認知の傾向についても理解を深めていきます。最近では周囲との人間関係がストレス源であるという人が増えています。日頃のコミュニケーションを見直すことで、ストレスが軽減されることは案外多いものです。本書は内容的に多岐にわたっていますが、無理なく読み進め、かつ実践できるようになっていますので、途中のワークもぜひ行うことをお勧めします。
著者の押川さんは、臨床活動のほか、横浜労災病院内に設置されていた「勤労者心の電話相談」の相談員を6年間務め、横浜労災看護専門学校の授業を現在に至るまで担当し、さらに講演や研修など、メンタルヘルスにかかわる仕事を長く続けている方ですが、当初は健康予防医学の研究と普及を担う横浜労災病院メンタルヘルスセンターの研修生だったこともあり、このような形でかかわれることをうれしく思っています。また、企業秘書を経て短期大学や専門学校、企業研修講師としての経験、さらにはジャズやボサノバ歌手としての活動など、多彩な活動を継続していることが、現在の押川さんの個性として活かされていると感心する次第です。
 交流分析に関しては、交流分析学会にて第17回桂学術奨励賞受賞論文「ドライバーズの心理的・行動的諸側面の検討」(2010)、ほかを発表し、成果を挙げています。
 本書はメンタルヘルスを軸に置きながら、押川さんの交流分析への取り組み、企業、大学や短大・専門学校でのコミュニケーション研修での経験が加味された内容になっており、前向きに取り組め、結果としてメンタルヘルスが獲得できるような内容になっています。
 
 私は1972年に医師になって以来、診療や講演活動、メール相談などをとおして、生きがいをもって元気に暮らしていくための取り組みをしてきました。その中で痛感していることは、病気を治すことだけでなく、病気にならない生き方が大切であるということです。生きている限り、ストレスから逃れることはできません。「メンタルヘルスは自ら獲得するものである」というのが私の考えであり、本書がその実現の助けとなるよう願っています。
独立行政法人 労働者健康安全機構
横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 医学博士 山本晴義

目次

CONTENTS

監修のことば iii
はじめに v

Chapter 1 ストレスとは  1
1. ストレスとは何か 1
2. ストレス反応の3段階 2
3. あなたのストレスは 4
4. ストレッサーとしてのライフイベント 5
5. 日常生活混乱(デイリーハッスル) 6
6. よいストレスと悪いストレス 7
7. タイプA行動パターン 8

Chapter 2 ストレスによる病気  10
1. うつ病(DSM-5) 11
2. 双極性障害 14
3. パニック症 16
4. 社交不安症(SAD) 16
5. 限局性恐怖症 17
6. 全般性不安症 17
7. 広場恐怖症 17
8. 強迫症(OCD) 17
9. 心的外傷後ストレス障害(PTSD) 18
10. 適応障害 18
11. 身体症状症 18
12. 病気不安症 18
13. その他の疾患 19

Chapter 3 ストレスと個人的特性  20
1. 交流分析とエゴグラム 20
2. 構造分析 23
3. ストローク 29
4. ゲーム分析 31
5. 脚本分析 38
6. 幼時決断から再決断へ よりよく生きるために 46

Chapter 4 ストレスコーピング(対処)   49
1. ストレスコーピングとは何か 49
2. 自分にあったストレスコーピングを探す 51

Chapter 5 コミュニケーション  53
1. 非言語の重要性 53
2. コミュニケーションをこじらせているもの 54
3. 対人認知に影響を与える心理的な枠組み 55
4. 積極的傾聴法(アクティブリスニング) 58

Chapter 6 アサーションの考え方を利用する  63
1. アサーション 64
2. アサーションを身につけると 68

Chapter 7 リラクセーション法  69
1. 自律訓練法 69
2. 筋弛緩法 70
3. 腹式呼吸法 71
4. マインドフルネス 71
5. その他のリラクセーション法 73
6. リラクセーション法や気分転換を意識的に取り入れることの意義 73

著者略歴

監:山本 晴義
横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
著:押川 聖子
神奈川大学保健管理センター カウンセラー

ISBN:9784880028675
出版社:新興医学出版社
判型:B5
ページ数:120ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ