加齢とめまい・平衡障害
著:室伏 利久
紙版
内容紹介
本書は、身体の平衡にかかわる諸器官の加齢性変化、その検査法や対処法についてまとめたものである。そのなかで、加齢による平衡障害すなわち「加齢性平衡障害(presbystasis)」という、筆者が提唱する疾患概念についても紹介している。高齢者の平衡障害は転倒、骨折などにも直結する可能性が高く、超高齢化社会の到来を前に介護予防の観点からも、その対策は喫緊の課題といえるだろう。また、その診療にはさまざまな臨床科の知識、技術が必要であり、多くの医療従事者の協力体制が必須となる.高齢者ケアに携わるすべての方に読んでいただきたい一冊である。
目次
第1章 加齢(老化)という現象――イントロダクションに代えて
第2章 身体の平衡の維持機構
1.前庭系
★コラム1 球形嚢と聴覚
2.体性感覚系
3.視覚系と眼球運動
4.中枢神経系
5.運動器系
第3章 めまい・平衡障害の診断に必要な診察・検査法
1.問診
2.平衡機能検査
★コラム2 ENGとVOG
★コラム3 重心動揺計
3.聴覚検査
4.画像検査
★コラム4 椎骨脳底動脈系
5.その他の検査
6.プライマリケアとしてどこまで診るか
第4章 身体の平衡の維持にかかわる部位の老化とその影響
1.前庭系
2.体性感覚系
3.視覚系と眼球運動
4.中枢神経系
5.運動器系
第5章 高齢者のめまい・平衡障害――加齢性平衡障害も含めて
1.高齢者のめまい・平衡障害総論
2.末梢前庭性障害
3.体性感覚系障害
4.中枢神経系障害
5.運動器疾患
6.薬剤による平衡障害
7.加齢性平衡障害という概念と対応
おわりに
文献
索引