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多職種で取り組む転倒予防チームはこう作る!

編著:武藤 芳照
編著:鈴木 みずえ
編著:饗場 郁子

紙版

内容紹介

高齢者の転倒予防はより多くの職種がかかわるほど、より効果的な予防対策に結びつく!
病院で、施設で、今日から多職種協働の“転倒予防チーム"をつくり上げるためのヒントがここにつまっている!
各分野の転倒予防スペシャリストたちが編み出した“成果につながるチームの知恵"を学ぶべし!

[あとがきより]
転倒予防の取り組みは、従来看護師が主となっていた。
看護師は転倒の第一発見者となる場合が多く、「どうしたら次の転倒を減らすことができるか」について
看護師の中でカンファレンスを行い、看護計画を立案していた。
転倒を予防するためには、その人の生活パターンや思いを知る看護の視点は不可欠であるが、
転倒には様々な要因が関連しており、看護の視点だけでは転倒を防ぐことはできない。
1回の転倒の背景には運動機能、感覚機能、認知機能、栄養、薬剤、発熱等の全身状態、物を置く位置等の環境等、
実に多様な要因が潜んでいる。
これらの要因が関連していることを考慮すれば、個々の要因について専門性を持った職種がかかわる必要性は明らかである。
転倒予防はチームで取り組むことにより、マイナスをプラスに変えることができる。
転倒のイメージは、“転んでケガをすると疼痛が生じて動けない"、
“発見者は「転ばせてしまった」と自分を責める"等、どちらかというとマイナスに捉えられがちである。
しかしチームで取り組むことはとても楽しくcreativeである。皆で知恵を絞ると思わぬアイディアが生まれるものである。
始めからうまくいかなくてよい。まず一歩を踏み出そう。
うまくいかなくても、チームの仲間がいればあきらめずに継続できる。
そして継続していると必ずいつか成果があらわれるものである。
本書には転倒予防チームをつくるためのヒントがぎっしりつまっている。
本書が皆さんの転倒予防チームづくりのお役に立てることを祈念している。

目次

序文 5

1章 多職種と多職種連携
1.多職種連携による転倒予防チームが求められる背景 10
2.転倒予防チームづくりの場と専門職の連携教育 15
3.転倒予防のための多職種連携チームのモデルとその展開 19
4.スタッフの「気づく力」と「見守る目」を育成するための事例検討 22
5.転倒予防チームを楽しく継続できる工夫とコツ 26

2章 転倒予防チームを構成する各専門職の視点と役割
1.医師 32
2.看護師 36
3.保健師 41
4.老人看護専門看護師 45
5.認知症看護認定看護師 49
6.理学療法士 53
7.薬剤師 58
8.健康運動指導士 62

3章 多職種連携による転倒予防チームの活動の実際
1.地域における転倒予防チーム
 1)地域ぐるみの運動の普及を通した転倒予防活動〜島根県雲南市の事例〜 68
 2)地域づくりをめざした転倒予防活動〜長野県東御市の活動〜 72
2.病院における転倒予防チーム
 1)東名古屋病院の転倒予防チーム「チーム1010-4」の取り組み 75
 2)国立長寿医療研究センターの取り組み 82
 3)名古屋医療センターの取り組み 88
3.高齢者施設における転倒予防チーム
 1)転倒による中度・重度外傷のない事業所の取り組み 92
 2)多職種恊働のリスクマネジメントによる二次予防の有効性 96
 3)認知症高齢者に対する介護施設での転倒予防の実践 102
4.ロボット技術やゲーム機の特性を活かした運動機能向上〜手段的訓練と目的行為〜 107

4章 転倒予防に役立つ各種資料
1.転倒予防のための事例集
 1)J-FALLS転倒予防事例集 112
 2)運動普及活動時のヒヤリ・ハット事例集 120
2.転倒予防川柳
 1)日本転倒予防学会の転倒予防川柳 122
 2)東名古屋病院チーム1010-4の取り組み〜川柳で 転倒予防の 策伝え〜 123
3.再骨折予防手帳 126
4.転倒予防川柳日めくり 130
5.転倒予防カルタ 132
6.日本転倒予防学会推奨品 134

付録 転倒予防に関するお役立ちホームページ 137
あとがき 138
索引 139
編者プロフィール 143

本文イラスト/下山まどか

ISBN:9784880027678
出版社:新興医学出版社
ページ数:144ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2016年09月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ