日本版司法取引の実務と展望
米国等の事情に学ぶ捜査協力型司法取引の新潮流
著:市川 雅士
著:土岐 俊太
著:山口 祥太
内容紹介
現代の司法取引は、米国等で企業犯罪の摘発に大きな効果をあげている。司法取引が主要国で果たしている機能は、企業による捜査当局への犯罪の自主申告・捜査協力を促し、犯罪により生じた問題を是正することである。日本でもその機能が十分果たせるのか。
日本における司法取引第1号事件は、企業が検察に同社元役員の犯罪情報を提供し、その見返りに会社が起訴を免れる「捜査協力型司法取引」であった。これは、アメリカで1980年代から頻繁に行われている司法取引の例にならったものである。本書は、このアメリカ等における司法取引の実態とその実務を本格的に紹介し、日本型司法取引にかかわる実務と対策を検討するものである。
第1部 司法取引に関する概念の整理――司法取引を読み解く道しるべ
第2部 現代的司法取引の誕生と発展――経済事犯に見る米国の司法取引
第3部 現代的司法取引の世界的な拡散――米国以外の主要国の動向
第4部 日本の協議・合意制度の検討――米国等の司法取引事情を踏まえて
第5部 日本版司法取引の展望――協議・合意制度はどこへ向かうか
目次
はしがき─本書の目的
第1部 司法取引に関する概念の整理――司法取引を読み解く道しるべ
第1章 協議・合意制度の施行――「日本版司法取引」の新設
第2章 2種類の捜査協力型司法取引
第3章 「司法取引」の境界の画定
第2部 現代的司法取引の誕生と発展――経済事犯に見る米国の司法取引
第1章 米国の刑事司法制度の基礎
第2章 米国の司法取引の歴史
第3章 司法取引の手続の流れ①――捜査機関への発覚前に自主申告する場合
第4章 司法取引の手続の流れ②――捜査開始後に捜査協力する場合
第3部 現代的司法取引の世界的な拡散――米国以外の主要国の動向
第1章 現代的司法取引の国際的な広がり
第2章 英国のDPA
第3章 フランスのDPA
第4章 カナダのDPA
第5章 シンガポールのDPA
第6章 オーストラリアのDPA
第7章 小括 5カ国のDPA制度に共通する要素
第4部 日本の協議・合意制度の検討――米国等の司法取引事情を踏まえて
第1章 協議・合意制度の利用形態
第2章 古典的司法取引として用いる場合
第3章 現代的司法取引として用いる場合
第5部 日本版司法取引の展望――協議・合意制度はどこへ向かうか
第1章 第1号案件
第2章 第2号案件
第3章 協議・合意制度の今後の展望
ISBN:9784877987237
。出版社:現代人文社
。判型:A5
。ページ数:224ページ
。定価:2900円(本体)
。発行年月日:2019年04月
。発売日:2019年05月08日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA。