ネット社会と忘れられる権利
個人データ削除の裁判例とその法理
編:奥田 喜道
紙版
内容紹介
近年、検索サイト運営者に対して「逮捕歴」などの削除訴訟が相次いで提起されている。「過去の事実」の削除は、表現の自由を脅かすとの意見もある。「忘れられる権利」について、実務家、憲法・情報法研究者の考察と、日本の事例と諸外国の動向を紹介する。
目次
第1部 ネット社会と「忘れられる権利」
第1章 ネット社会と「忘れられる権利」の意義と課題――アメリカとヨーロッパの議論を手がかりに………宮下紘
第2章 EUにおける個人データ保護権と「忘れられる権利」………中西優美子
第3章 不法行為法と「忘れられる権利」………上机美穂
第4章 「忘れられる権利」の憲法的基礎としての「個人の尊厳」「幸福追求権」………飯島滋明
第2部 事例報告/日本の「忘れられる権利」
第5章 グーグルサジェスト削除請求等事件――サジェスト機能と「忘れられる権利」………富田寛之・髙橋未紗
第6章 ヤフー検索結果削除請求事件――名誉棄損、プライバシー侵害の法的責任を問う………島崎哲朗
第7章 グーグル検索結果削除処分命令申立事件――検索サイト管理者の検索結果の削除義務の有無など………神田知宏
第3部 諸外国おにおける「忘れられる権利」の動向
第8章 フランスの「忘れられる権利」………石川裕一郎
第9章 ドイツの「忘れられる権利」 ………實原隆志
第10章 イギリスの「忘れられる権利」――「ヨーロッパの中のイギリス」という視点から………江島晶子
第11章 カナダの「忘れられる権利」………榎澤幸広
第12章 スイスの「忘れられる権利」………奥田喜道
第13章 韓国の「忘れられる権利」………水島玲央