小説 日清戦争
甲午の年の蜂起
著:金 重明
紙版
内容紹介
「古阜(コブ)の蜂起からのことを思い出してください。民が、おのれの力でこの世をつくり変えたのです」
朝鮮の支配をめぐり対峙する日本と清。
腐敗し統治能力を失なった朝鮮王朝。
背後で蠢く列強諸国……。
貪吏の酷政に蜂起し全羅道をほぼ掌握した全琫準(チョンポンジュン)率いる東学農民軍は、日本の侵略軍に対し、二度目の蜂起に立ちあがった――
「朝鮮の独立」を大義名分とした日清戦争。その戦端はしかし、日本軍の「朝鮮王宮占領」によって開かれた。
「文明と野蛮の戦争」とされたこの戦争。はたして「野蛮」だったのはどちらか。
日本・清・朝鮮の三者の視点から、近代日本の方向を決定づけた「日清戦争」を多角的に描き、最新の研究成果をふまえつつその本質に迫る1500枚に及ぶ大作。
明治150年。『坂の上の雲』の司馬遼太郎史観を塗り替えるスペクタクル歴史長篇、ついに登場!
目次
第一章 青春寡婦
第二章 饗応
第三章 全州
第四章 牙山
第五章 都所
第六章 開戦
第七章 黄海
第八章 論山
第九章 牛金峙
第十章 潰滅
終 章
*
あとがき
主要参考文献