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組織と制度のミクロ経済学

編:堀 一三
編:国本 隆
編:渡邊 直樹

紙版

内容紹介

人々の間で発生する利害対立を調整する役割を担う組織,利害対立を抑制するために人々が集団で自らの行動に対して課す制約としての制度.これらは今やミクロ経済学の中心的な研究対象となった.本書では,組織と制度を分析するための最新手法を,メカニズムデザインや契約理論のみならず,協力ゲーム理論,被験者・計算機実験,構造推定などを含む幅広い内容をカバーしつつ,紹介する.

目次

序章:ミクロ経済学のフロンティアを求めて
1.1 はじめに
1.2 ミクロ経済学の分析対象
1.3 新制度派経済学とメカニズムデザイン
1.4 各章の概要

第1部 制度設計の諸問題:環境条約,ベイジアン遂行,取引構造

第2章 クリーン開発メカニズムのミクロ・ゲーム分析
2.1 CDM
2.2 相対vs絶対ベースライン
2.3 動学的設定
2.4 途上国の参加インセンティブ
第3章 ベイジアン遂行理論
3.1 はじめに
3.2 代表例:オークション
3.3 本格的な分析に入るまえに
3.4 (比較的長めの)準備
3.5 確実遂行
3.6 実質的遂行
3.7 純粋戦略と混合戦略
3.8 完備情報
3.9 おわりに
第4章 市場のミクロ構造理論における情報ベースモデル
4.1 はじめに
4.2 逐次取引モデル
4.3 一括取引モデル
4.4 おわりに

第2部 組織の経済学における課題:サーチ市場とホールドアップ問題

第5章 契約とサーチ
5.1 はじめに
5.2 モラルハザード問題とサーチ市場
5.3 ホールドアップ問題
5.4 結論
第6章 ホールドアップ問題は契約により解決できるか:動学的考察
6.1 はじめに
6.2 ホールドアップ問題
6.3 動学的考察
6.4 おわりに

第3部 組織における交渉:協力ゲームの理論と被験者実験

第7章 古典的協力解と提携ゲーム
7.1 序論:5人で分ける
7.2 提携ゲームの古典的協力解
7.3 提携構造の導入
7.4 結論にかえて:協力解のこれから
第8章 重み付き投票実験における提携形成
8.1 はじめに:協力ゲームの実験環境
8.2 実験の仕様:4人重み付き投票ゲーム
8.3 結果:ガムソンの法則のほころび
8.4 おわりに:追加実験に向けて
付録:インストラクション

第4部 その他の分析手法:進化ゲーム,シミュレーション,構造推定

第9章 事前コミュニケーションによる均衡選択:進化ゲームアプローチ
9.1 はじめに
9.2 進化的アプローチ
9.3 事前コミュニケーションゲームの定式化
9.4 動学における安定性
9.5 複雑回避性向
9.6 集団の数とパレート効率性
9.7 中立安定戦略の列挙
9.8 予想動学
9.9 嘘つき回避性向
9.10 無限回繰り返しゲーム
9.11 おわりに
第10章 ミクロ経済学理論におけるコンピュテーショナルアプローチ
10.1 序論
10.2 主な学習モデル
10.3 戦略的状況自体の学習
10.4 考察
第11章 マッチングゲームの顕示選好分析
11.1 はじめに
11.2 マッチングゲームの理論
11.3 マッチングゲームの計量経済モテ?ル
11.4 推定方法
11.5 おわりに

索引

著者略歴

編:堀 一三
所属:立命館大学経済学部 准教授学位:Ph.D. (Economics, University of Wisconsin-Madison)
編:国本 隆
所属:一橋大学大学院経済学研究科 准教授学位:Ph.D. (Economics, Brown University)
編:渡邊 直樹
所属:筑波大学システム情報系 准教授学位 : Ph.D. (Economics, SUNY at Stony Brook)

ISBN:9784876981663
出版社:京都大学学術出版会
判型:A5
ページ数:346ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2015年03月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA