「実態をよく解っていない作家による、ハンセン病を題材にした小説などの罪は大きい。」―――加賀乙彦
「ハンセン病をめぐる問題を考えることは、「生命とは何か」「人間とは何か」という問題に還っていく。」―――ドリアン助川
ハンセン病患者の隔離を強いてきた「らい予防法」廃止から、今年で20年。加賀乙彦、松岡正剛、ドリアン助川、杉良太郎、華恵など、多様なフィールドで活躍する面々が、現代に託された負の遺産に光を当て、いのちの諸相を浮き彫りにする。
病者が登場する絵巻や、かつての患者たちの知恵が息づく生活用具の写真など、カラー図版も満載。
人類史とともに歩んできた病いでありながら、語られることの少なかったハンセン病とその諸問題を、多角的に捉えなおす画期的な一書。
「ハンセン病」とは?
らい菌により皮膚や神経が侵される感染症。感染力は極めて弱く、発症した場合にも、投薬療法によって完治可能。しかし、四肢や顔面に著しい変形をきたすこともあるため、病者たちは長らく烈しい差別の対象とされ、療養所への隔離を強いられていた時代があった。かつては「らい病」とも。