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香港人に希望はあるか

原案:羅冠聡(ネイサン・ロー)
訳:串山大

紙版

内容紹介

ノーベル平和賞有力候補にして、懸賞金1850万円の最重要指名手配犯、中国の独裁政権が最も恐れる香港の民主活動家・羅冠聡(ネイサン・ロー)は、どんな主張を掲げ、どんな闘いをしてきたのか。
本書は、彼が香港人に向けて母国語で書いた文章をまとめた日本オリジナルの編集内容である。雨傘運動の学生リーダーとして世界的な注目を浴びた後、香港立法会の史上最年少議員に当選するという華々しいキャリアを歩んできた彼は、政治弾圧により投獄されてしまう。出獄後の2018年、香港の民主化運動の停滞期に書かれた記事から本書は始まる。そして、2019年の大規模な反政府デモ、2020年の国安法施行、ロンドンへの政治亡命、香港での民主派活動家への大弾圧、離散香港人による抵抗、中国における白紙運動など、激動の時代にリアルタイムで投稿された記事の数々を収録する。心を揺さぶる熱い詩情と、クールな分析力を兼ね備えたその文章は、自由で民主的な世界を望むすべての人にとって重要なメッセージを含んでいる。

【序文より抜粋】親愛なる日本の皆さまへ

本書を読むことを通して私と共に旅をしようと思ってくださった皆さん一人ひとりに対する感謝の気持ちは、言葉では表現しきれないほどです。香港はもはや数年前のようなホットな話題ではないかもしれませんが、それにもかかわらず皆さんが関心を持ち続けてくださることは、私にとってだけでなく、香港の人びとにとって計り知れないほどの価値があります。それは希望の光であり、私たちの物語がまだ共鳴を生むということ、自由を求める私たちの闘いが忘れ去られたわけではないということを伝えてくれます。
「自由のために闘おう! 香港と共に立ち上がろう!」このスローガンは、私たち全員の願いなのです。

目次

・序 親愛なる日本の皆さまへ 
・第1部 亡命まで──香港を愛しすぎることは罪なのか 
・第2部 国安法の時代のはじまり──低迷と希望 
・第3部 民主主義と自由のゆくえ──弱くても屈しない 
・2021香港憲章 
・訳者あとがき

著者略歴

原案:羅冠聡(ネイサン・ロー)
■ 羅冠聡(ネイサン・ロー)
2014年の雨傘運動の学生リーダー。2016年に黄之鋒や周庭らと共に結成したデモシスト(香港衆志)の党首として、香港史上最年少の立法会議員に当選。しかし翌年、政治弾圧のために議員資格を剥奪され、投獄される。出獄後の民主化運動の低迷期には、サマーキャンプなどを通した啓発活動に取り組む。2019年の逃亡犯引き渡し反対運動では、デモの前線に出るだけでなく、アメリカを中心に提言活動を行った。2020年、国安法施行を受けてイギリスに政治亡命。同年、タイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出される。ノーベル平和賞の候補者にも例年ノミネートされている。
訳:串山大
■ 串山大
中日翻訳者。訳書に廖惟宇『ゲリラ建築:謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる』(みすず書房、2020)。また韋蘺若明『葬送のコンチェルト』(KADOKAWA、2023)など漫画作品の翻訳も手がける。

ISBN:9784873691077
出版社:季節社
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH