[改訂版]日本語教育学の歩き方
初学者のための研究ガイド
他著:本田 弘之
他著:岩田 一成
他著:義永 美央子
内容紹介
2014年3月刊行の初版から、学会誌「日本語教育」の情報をアップデート。
近年、日本語教育研究という学際分野が日本語教育学へと発展するにつれて、日本語教育学とは何かが問われるようになった。本書は新しい学問分野として確立されるべき日本語教育学を体系化し、日本語教育学研究のあるべき方法論について検討することを目的とする。近い将来確立されるべき「日本語教育学」がどのようなものであるか、日本語教育研究は実践にどのような貢献が可能であるか、その設計図を展望する。
目次
第1 部 日本語教育研究レビュー
第1 章 「日本語教育研究」を研究する目的
1 .はじめに
2 .日本語教育研究の歴史
3 .日本語教育研究の現状
第2 章 日本語に関する研究
1 .はじめに 15 2 .学会誌『日本語教育』の分析
3 .日本語教育学と日本語学の機能分化
4 .日本語記述文法の完成
5 .展望
第3 章 学習者に関する研究
1 .はじめに
2 .学会誌『日本語教育』の分析
3 .展望
第4 章 教育と社会に関する研究
1 .はじめに
2 .学会誌『日本語教育』の分析
3 .「日本語教育と社会」に関する研究
4 .展望
第2 部 日本語教育研究マニュアル
第5 章 目的と先行研究
1 .はじめに
2 .研究の目的
3 .先行研究
第6 章 研究計画
1 .はじめに
2 .研究のスケジュール
3 .リサーチデザイン
4 .データ収集
5 .研究計画書を書いてみる
第7 章 論文の構成と研究成果の公表
1 .はじめに
2 .成果公表の方法・種類
3 .論文の構成と執筆中に陥りやすい穴
4 .投稿前の注意事項
第8 章 日本語教育研究の倫理と社会的責任
1 .はじめに
2 .「剽窃」や「盗用」は決して許されない
3 . 日本語教育研究者が考えねばならない倫理 学習者の権利
4 . 日本語教育研究者が考えねばならない倫理 個人情報の取りあつかい
5 .研究者の社会的責任
第3 部 日本語教育研究ガイド
第9 章 量的研究の方法
1 .はじめに
2 .ある文法形式の使用状況を細かく見る
3 .教材の中の文法形式を見る
4 .日本語教育関係者の思い込みを問う
5 .語彙リストを作る
第10 章 量的研究の方法
1 .はじめに
2 .まずは記述統計
3 .2 つの変数の平均の違いを見る:t 検定
4 .3 つ以上の変数の平均の違いを見る:分散分析
5 .質的なデータの違いを見る:χ2(カイ二乗)検定
6 .2 つの変数の関係を見る:相関分析
7 .たくさんの変数間の関係を整理する:因子分析
8 .変数間の関係を確かめる:共分散構造分析
第11 章 質的研究の方法
1 .はじめに
2 .日本語教育学研究における質的研究の意義
3 .質的研究への批判と認識論の問題
4 .質的研究の方法論
第12 章 質的研究の方法
1 .はじめに
2 .質的研究のもう一つの方法論
3 .もう一つの質的研究手法のための準備と心構え
4 .データの分析—基本的な手順—
第13 章 日本語教育学研究のこれから
1 .はじめに
2 .分野全体の俯瞰と体系化
3 .何のための研究か
4 .協働と連携
5 .社会につながる日本語教育研究
6 .植民地から独立国へ