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阪大リーブル 76

アーカイブズとアーキビスト

編:大阪大学アーカイブズ
他著:高橋 明男
他著:菅 真城

紙版

内容紹介

一般、学生向けにまとめられた、初めてのアーカイブズ学の入門書。
公文書を管理する機関「アーカイブズ」と、その公文書を管理する専門職員「アーキビスト」の成り立ちや仕事、取り組むべき課題について学べる。公文書とは、どこでどのように選ばれて残され、公開されているのか。
アーカイブズは「良くも悪くも国を映し出す鏡」でありながら、米国で有名な公文書館に比して、日本では自国のアーカイブズに対してきわめて関心が薄い。こうした背景や、法、歴史、地方自治体だけでなく、教育委員会、企業のアーカイブズの事例も示し、重要性と課題の根底にある問題も伝える。デジタル時代のアーキビストの業務についても収録。

目次

はじめに
第1講 アーカイブズ学事始め
1 アーカイブズとアーキビスト
2 アーキビストの「職務基準書」と「認証アーキビスト」
3 アーキビストの養成、研修、民間資格
4 アーキビストの倫理綱領と専門職協会
5 アーカイブズの諸原則
6 そもそもアーカイブズとは

第2講 公文書の管理と保存を法律からみると
1 アーカイブズをめぐる法律
2 情報公開・個人情報保護制度
3 アーカイブズ法の課題

第3講 公文書管理制度の形成
はじめに
1 現代日本における情報公開法と公文書管理法
2 公文書管理法制の理念の源流
3 近現代日本における公文書管理保存制度の展開
おわりに

第4講 地方公文書館の現状と課題
はじめに
1 地方公文書館等の現状
2 地方公文書館の課題
3 「アーカイブズ文化」
おわりに

第5講 何を残すべきなのか――熊本県公文書への私のチャレンジと日本への提言――
はじめに
1 熊本県総務部県政情報文書課からの誘い
2 行政ファイル一覧からのピックアップ作業
3 何を残し、何を残さないのか
4 地域振興局文書の選別作業
5 想定問答集、県をまたぐ広域の資料
6 教育委員会関係資料、農協関係資料、平成の大合併関連資料
7 文書の書き換えと真正性
まとめに代えて

第6講 自治体史編纂から見た公文書保存
1 自治体史編纂に不可欠な公文書
2 自治体の変遷と公文書
3 市町村における歴史公文書保存の現状
4 府県行政文書と郡役所文書
5 自治体史編纂後の収集史料の管理・保存

第7講 企業アーカイブズ―その歴史と現状、課題
はじめに
1 日本におけるビジネス・アーカイブズの歴史と現状
2 現在の日本における企業アーカイブズが直面する課題
3 多国籍企業のアーカイブズ
おわりに

第8講 デジタル時代のアーカイブズとアーキビスト
はじめに
1 デジタル記録の管理と公開において考えるべき枠組み
2 具体的なしくみと実践
おわりに

参考文献/あとがき
編者・著者紹介

著者略歴

他著:高橋 明男
大阪大学大学院法学研究科教授
専門は行政法。大阪大学法学研究科公法学専攻単位取得退学。大阪大学法学研究科助手、同助教授を経て現職。共編訳書に『法の支配と法治主義』(早稲田大学比較法研究所叢書47)(成文堂、2020)、編著書に『日本型法治主義を超えて―行政の中の法の担い手としての法曹・公務員―』(大阪大学出版会、2018)、共著書に『行政法の基本(第7版)』(法律文化社、2019)、『現代行政とネットワーク理論』(法律文化社、2019)などがある。
他著:菅 真城
大阪大学アーカイブズ教授
専門はアーカイブズ学、記録管理学、日本史学。広島大学大学院文学研究科博士課程後期国史学専攻単位修得退学。広島大学文書館助手、大阪大学文書館設置準備室講師などを経て現職。認証アーキビスト。日本アーカイブズ学会登録アーキビスト。記録管理学会会長。香川県立文書館運営協議会委員。著書に『大学アーカイブズの世界』(大阪大学出版会、2013)、共編著書に『公文書をアーカイブする―事実は記録されている―』(大阪大学出版会、2019)などがある。

ISBN:9784872596441
出版社:大阪大学出版会
判型:4-6
ページ数:234ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年04月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLM