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シリーズ人間科学 5

病む

編:山中 浩司
編:石蔵 文信
他著:中道 正之

紙版

内容紹介

「病む」にまつわる人間科学の各アプローチにより、人間と人間社会にとっての普遍的な問題としての「病むこと」の意味を見出す。医学、哲学、霊長類学の立場から病むことの意味、生きることとの関連について論じた上で、臨床心理学、臨床哲学、社会福祉学、医療人類学の立場から様々な治療や癒やしの制度について、それらが「病」や社会にとって持つ意味について論じる。さらに、人類学と社会学の立場から、「病むこと」と社会の間に生じる様々な関係、社会における「病気」の意味について論じることで、「病むこと」とそれに向けられる社会制度と社会のまなざしが、人間社会における普遍的で不可分な重要性をもつことを明らかにする。

目次

シリーズ人間科学 巻頭言
まえがき

第1部 群れ(社会)の中で

第1章 傷ついたサル、障がいを持ったサルの暮らし
第2章 病と生きる―病と生の哲学的分析
第3章 病むことの多様性と治ることの斉一性について

第2部 治療と癒し

第4章 「病」とコミュニティ―超高齢社会の包括ケアという新たな挑戦に向けて
第5章 病の語りと心理療法
第6章 薬と共に生きる―一錠に詰め込まれた世界

第3部 「病」へのまなざし

第7章 病のイメージ―「肥満」は病気ですか?
第8章 人はなぜ病者の物語に感動するのか
第9章 病と老化―正常と異常の境界線
第10章 死と病

索引
執筆者紹介

著者略歴

編:山中 浩司
大阪府生まれ。1988 年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。
1990 年大阪大学教養部講師。1995 年ベルリン自由大学社会学研究所客員研究員。1996 年人間科学部助教授。2000 年大阪大学大学院人間科学研究科助教授。2010年から同教授。社会思想史、科学思想史を経て、科学社会学、医療社会学を専門とする。2009 年から、大村英昭氏(故人)、伊藤公雄氏、石蔵文信氏、阪本俊生氏らと「生き方死に方を考える社会フォーラム」を主催、2012 年より希少難病患者の聞き取り調査も継続している。
編:石蔵 文信
京都府生まれ。1982 年三重大学医学部卒業。1991 年大阪大学博士(医学)。循環器科医師。国立循環器病センター、大阪警察病院、米国メーヨークリニック リサーチフェロウを経て、1998 年大阪大学医学系研究科助手、2004 年より准教授、2013 年より2017 年まで大阪樟蔭女子大学 健康栄養学部教授。男性更年期外来を市内で開設。夫の何気ない行動や言葉が強いストレスになり、妻の身体に更年期障害のような変調を引き起こす病気を「夫源病」と名付ける。「一般医-精神科医ネットワーク(通称G-P ネット)」を立ち上げ、大阪を中心に自殺者を減らす活動や料理教室やHP(孫育のグチ帳)を立ち上げて孫育の推進のための活動をしている。
他著:中道 正之
大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は比較行動学、動物園行動学。
〈主な業績〉
中道正之(2017)『サルの子育て ヒトの子育て』KADOKAWA(角川新書)
中道正之(2019)『写真でつづるニホンザルの暮らしと心 岡山・神庭の滝の群れの60 年』大阪大学出版会

ISBN:9784872596229
出版社:大阪大学出版会
判型:4-6
ページ数:242ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年04月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC