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続・対話の場をデザインする

安全な社会をつくるために必要なこと

著:八木 絵香

紙版

内容紹介

2005年JR福知山線事故の「空色の会―JR福知山線事故・負傷者と家族等の会」の対話記録。被害者同士、被害者とJR西日本社員、被害者と別の事故の被害者、事故調査専門家と被害者、さまざまな関係にある人々は対話の場で何を語ったのか。こうした対話はどのような意味をもち、被害者はどのように癒されていくのか。前著で原子力をめぐる対話を展開した著者が見つめる、事故や災害から回復するための対話とは。

目次

第1章 JR福知山線事故——負傷者とその家族

1. JR福知山線事故と空色の会「JR福知山線事故・負傷者と家族等の会」

2. 空色の会と<わたし>の出会い

3. ある日突然「被害者」とよばれるようになるということ


第2章 「被害」とは何か、「回復」とは何か

1. 被害者の孤立—そこから始まった被害者の自助ネットワークづくり

2. 負傷者とその家族であるということ

3. 対話を通じた視点の交錯―自らの経験の客体化にむけて―


第3章 専門家と被害者の「交点」から安全を考える

1.公的事故調査機関の成立と、被害者のかかわりの萌芽

2.被害者の声に応答することの意味 
      
3.専門家の視点と被害者の視点の「交点」

  
第4章 対話を通じて「事故現場」のあり方を考える

1.事故現場保存までの経緯
    
2.何が問題となるのか、何が必要なのか

3.事故現場をめぐる「少人数の場」という取り組み

    
第5章 媒介の専門家であるということ

1.対話の場をつくる実践者に必要なこと

2.「二・五人称の視点」をもつ専門家として


おわりに


付録 本書の内容に関連するJR西日本、空色の会を中心とした出来事

著者略歴

著:八木 絵香
1972年生まれ。東北大学大学院工学研究科博士課程後期修了 博士(工学)。
大阪大学COデザインセンター准教授。

早稲田大学大学院人間科学研究科修了後、民間シンクタンクにおいて、災害心理学研究に従事。多数の事故・災害現場調査を行う。2002年~2005年、東北大学に社会人大学院生として在籍。原子力立地地域を中心に、市民と専門家が対話する場(対話フォーラム)を企画・運営、現在に至る。現在は、社会的にコンフリクトのある科学技術の問題について、立場や利害の異なる人同士が対話・恊働する場の企画、運営、評価を主な研究テーマとしている。

ISBN:9784872595826
出版社:大阪大学出版会
判型:4-6
ページ数:262ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PD