ヤン・ファン・エイク
光と空気の絵画
著:小林 典子
紙版
内容紹介
ごく小さな画面に光あふれた豊かな空間を描写したヤンの完璧な技術は,どのようにして完成したか.フランドル地方の「職人的な経験」から生まれたという定説を覆し,15世紀パリで文化的刷新事業の一翼をになう写本工房から始まったことを著者によりはじめて解明された.
目次
はじめに
第1章ヤン・ファン・エイク研究あるいは絵画の難題
<光と空気>の最初の描出/
E.パノフスキー『初期ネーデルラント絵画』/フランス・ヴァロア朝のミニアテュール研究/図像解釈学の難題と科学的調査/S.アルパース「描写の芸術」
第2章光と空気の絵画誕生
ヤン・ファン・エイクの資料/
ヤン・ファン・エイク初期作品/
光と空気の現象のルーツ/
第3章光と空気の言説誕生
古代・中世光学概史/
光の媒体/光の伝播/
質と微細構造
終章 ヤン・ファン・エイクあるいは光学的言説
古代・中世光学と絵画/
おわりに