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降伏の時 元釜石捕虜収容所長から孫への遺言

著:稲木誠
著:小暮聡子

紙版

内容紹介

 元釜石捕虜収容所長が克明に記した終戦後1カ月の手記。戦後、釜石市に届いた1通の手紙から始まった元捕虜との友情。そして孫が紡いだ奇跡のような出会いと絆。戦後77年、祖父から孫へと引き継がれた「戦争の記憶」を丹念にたどる渾身の一冊。

 ■第1部 降伏の時
 岩手日報に2021年1月~4月にかけて掲載された故稲木誠氏の手記を掲載。終戦後1カ月の釜石捕虜収容所の出来事を克明に描く
 ■第2部 フックさんからの手紙
 1975(昭和50)年、釜石市に届いたオランダ人元捕虜「フックさん」からの手紙をきっかけに始まった文通。『週刊時事』に連載された「戦後の物語」を収録
 ■第3部 遠い記憶の先に終止符を探して
 ニューズウィーク日本版記者で稲木氏の孫・小暮聡子氏が元捕虜と家族らを取材。戦後70年特集の一環として「本当の終止符」を探った迫真のルポを掲載
 ■第4部 過去から未来へ
 釜石捕虜収容所にいた元捕虜3人の家族と交流を続ける小暮氏。奇跡のような「リユニオン(再会)」をつづる

目次

目次
・はじめに
・第1部 1945年 降伏の時
 八月十五日/光の世界/世界の変転/勝者の叫び/患者との別れ/敗者の退場/火葬/赤、白、青のパラシュート/武器引き渡し/急げ、待て/脱走/衝突/再び沿岸へ/軍刀没収/九月十五日/火事と闇
・第2部 1975年 フックさんからの手紙
・第3部 2015年 遠い記憶の先に終止符を探して
 捕虜たちが見た地獄/波乱含みで始まった取材/元捕虜が語る70年の物語/祖父とアメリカの間で/パンドラの箱を開けて
・第4部 2022年 過去から未来へ
・あとがきにかえて

著者略歴

著:稲木誠
1916年 栃木県宇都宮市生まれ。1941年 広島文理科大学教育学科卒業。1944年4月~1945年8月 陸軍少尉として岩手県釜石市の連合軍捕虜収容所長(1945年8月に中尉任官)。1945年11月~1951年4月 巣鴨プリズンに拘置される。1952年~1973年 時事通信社勤務(釧路支局長、ホノルル特派員、前橋支局長などを歴任)。1988年に71歳で死去。著書に『茨の冠』『巣鴨プリズン二〇〇〇日』(いずれもペンネーム「中山喜代平」)がある。
著:小暮聡子
1981年栃木県宇都宮市生まれ。『ニューズウィーク日本版』(株・CCCメディアハウス)記者/編集者。2004年立教大学法学部政治学科卒、2007年英サセックス大学大学院にて「現代の戦争と平和学」修士号を取得。2007年に入社、2012年~2018年の米ニューヨーク支局勤務を経て東京本社に帰任。稲木誠の孫。

ISBN:9784872014303
出版社:岩手日報社
判型:A5
ページ数:228ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ