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動物たちの収容所群島

著:井上太一

紙版

内容紹介

檻に囚われた豚の親子、
肥り続ける体に苦しむ雛鳥、
ひたすら卵を産まされる雌鶏、
顧みられてこなかった食卓の舞台裏でいま、何が起こっているのか?
畜産現場からの報告と権力分析をもとに
食用の生命商品として翻弄される動物たちの現実に迫る

推薦
落合恵子(作家)
誰がが書かなくてはならないのに、誰も充分には書かなかった(書けなかった)、わたしたちの日常、食生活。わたしたちの「美味しい」が、どのような過程を経て食卓に届けら
れるのか。わたしたちには知る権利と責任がある。そうして、知ったその後は? それを今、ひとりひとりが問われているのだ。

安積遊歩(ピアカウンセラー)
私は人と違う身体をもって生まれてきた。それはこの社会からは「障害」と呼ばれ、さまざまな虐待を経験してきた。その中で私は優生思想社会に異を唱え、敢然と対峙し続けてきた。しかしこの本で描かれている大量虐殺にある家畜たちには、なんらの逃げ道も救いもない。無知と無関心を決め込み、それを揺るがされそうになると、怖気付き、さらに目を背けようとする人々の群れ。その中でこの本のビーガニズム(脱搾取)の視点は、深い闇の中の一灯となることだろう。

目次

謝辞


記録されてこなかった動物たちの生/書かれてきたものとその欠落/動物たちの現実に即して

第1章 囚われの母豚、投げられる子豚
プロローグ/工場式畜産/檻の生活/科学的管理/人間労働/殺処分/身体損傷/母子生活の破壊/エピローグ

第2章 死にゆく雛鳥たち
プロローグ/生の管理/肉用鶏の到来/量産体制/環境悪化/急成長/過密/死の蔓延/ 最期の日々/エピローグ

第3章 産まされ続ける雌鶏たち
バタリー鶏舎/生殖搾取/危険環境/殺される雌鶏たち/動物福祉/強制換羽/暴力の外部委託/エピローグ

終章 進むべき道
公開質問状/動物たちの現実/動物不在の思考/脱搾取/動物産業の解体/父権制の打倒

著者略歴

著:井上太一
井上太一(いのうえ・たいち)
翻訳家・執筆家。既存の正義から取りこぼされてきた者たちの権利向上をめざし、脱人間中心主義の文献を翻訳・執筆することに携わる。著書に『動物倫理の最前線』(人文書院、2022年)、『今日からはじめるビーガン生活』(亜紀書房、2023年)、訳書にデビッド・A・ナイバート『動物・人間・暴虐史』(新評論、2016年)、ディネシュ・J・ワディウェル『現代思想からの動物論』(人文書院、2019年)、サラット・コリング『抵抗する動物たち』(青土社、2023年)などがある。

ISBN:9784871542418
出版社:あけび書房
判型:4-6
ページ数:220ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年11月
発売日:2023年11月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TVH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH