脱植民地的開発──植民地権力とマヤ
著:ジョエル・ウェインライト
訳:太田晋
内容紹介
ジェイムズ・M・ブロート賞を受賞し、高い評価を得たジョエル・ウェインライトの主著である本書は、開発としての資本主義を問題化する。グローバル資本主義は、貧困を減少させることなく不平等を増大させ、世界のある地域を富ませ、他の地域を貧しくしてきた。「開発」は甘い餌である。資本主義的発展や成長を求めることが、一方で植民地主義的な開発を招き入れる──本書は、このアポリアに向きあい、グラムシ、フーコー、デリダ、スピヴァク、柄谷行人を導きの糸に、開発としての資本主義を理論的・根底的に批判しつつ、植民地的介入を拒みつつ発展する方途を模索する。マルクス主義とポストコロニアリズムを架橋して、開発をテーマにマルクスやグラムシをサイードやスピヴァクと批判的に接続、中米ベリーズ(マヤ)に軸足を置いて繰り広げられる、権力の一形態としての開発の歴史と政治への考察は、ラス・カサスからジャレド・ダイアモンドに至る「マヤニズム」言説が反復的に生産される過程をも詳細に分析する。資本=ネイション=国家について考える際にも好個の、理論・分析・実践のバランスのとれた好著。
目次
図版一覧
略記一覧
謝辞
序 開発としての資本主義
第一部 マヤを植民地化する
第一章 ベリーズ南部の植民地地理を不安定化する
第二章 マヤ農地システムの問題
第三章 マヤニズムの考古学
第二部 開発のアポリア
第四章 植民地の知から開発の知へ─チャールズ・ライトとコロンビア・リヴァー・フォレストをめぐる闘争
第五章 入植/定着─開発の廃墟におけるフィールドワーク
第六章 文化生態学批判を終える─『マヤ・アトラス』を読む
結論
訳者あとがき
原註
参照文献
索引
ISBN:9784867840016
。出版社:インスクリプト
。判型:4-6
。ページ数:448ページ
。定価:3900円(本体)
。発行年月日:2024年01月
。発売日:2024年01月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ。