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向田邦子『あ・うん』ー「青りんご」まで

著:高橋 行徳

紙版

内容紹介

〈向田邦子がここにいる〉

日常の一瞬を切り取って、人間の素性を垣間見せてくれたエッセイスト、脚本家、小説家、そしてプロデューサーであった向田邦子の魅力に迫る。

日常の小さな出来事に引っ掛かりを覚えることから、向田の発想は始まる…つまりは、個人の体験に裏打ちされていたからこそ、向田の創作は説得力を持ちえたのである。(文中より)

目次

凡例

まえがき

第一部 
第一章『父の詫び状』から『あ・うん』へ
  a.『父の詫び状』のドラマ化
  b.小説家 向田邦子の誕生
  c.直木賞の受賞とその後遺症

第二章『あ・うん』にかける向田邦子の夢
  a.ノベライゼーション
  b.向田邦子の連続ドラマ
  c.向田邦子のルーツ探し
  d.ライフワークとしての作品

第三章 向田邦子のプロデュース能力
  a.『戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件』 
  b.初のプロデュース作品『わが愛の城』 

第四章『あ・うん』で発揮されたプロデューサー的手腕
  a.演出家 深町幸男への高い評価
  b.自宅での打ち合わせ
  c.収録直前に主役のキャスティング
  d.メディアミックスの先駆け

第二部
第一章 門倉という人物
  a.変転するタイトル
  b.ファーストシーンは剽窃なのか
  c.社長の風呂焚き
  d.『あ・うん』の時代設定
  e.門倉修造のモデル
       
第二章 水田家のハプニング
  a.列車内での水田一家
  b.水田家の新居
  c.家族の紹介
  d.たみの懐妊
  e.赤ん坊の譲渡
  f.家出騒動

第三章 たみの流産
  a.カフェの女給 禮子
  b.たみと「こま犬」

第四章 主人が不在時の出来事
  a.肌着に巻き付けられた賞与
  b.「寝台戦友」 
  c.さと子の病気
  d.禮子の懐妊
  e.初太郎と山師仲間
  f.初太郎の盗み
  g.禮子の住居探し
  h.君子の自殺未遂

◇シナリオから小説へ「蝶々」◇

第五章 青りんご
  a.さと子の見合い
  b.門倉の倒産
  c.縁談を断った相手との「逢いびき」

◇シナリオから小説へ「青りんご」◇


参考文献

あとがき

著者略歴

著:高橋 行徳
1947年兵庫県生まれ。77年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。
日本女子大学名誉教授。
著書に『開いた形式としてのカフカ文学』(鳥影社)、『向田邦子「冬の運動会」を読む』(鳥影社)、『向田邦子、性を問う─「阿修羅のごとく」を読む』(いそっぷ社)、『それとは違う小津安二郎』(鳥影社)。
翻訳にフォルカー・クロッツ『閉じた戯曲開いた戯曲』共訳(早稲田大学出版部)。他に『タウリスのイフィゲーニエ』試論(日本ゲーテ協会会長賞)、溝口健二『祇園の姉妹』─男性社会に反逆する芸者(『アジア遊学』118号)、向田邦子『家族熱』ノート(『ユリイカ』2012年5月号)、『精選女性随筆集第11巻向田邦子』解説(文藝春秋)、ドラマ『あ・うん』の一考察(『向田邦子文学論』向田邦子研究会編新典社)など。

ISBN:9784867820780
出版社:鳥影社
判型:4-6
ページ数:262ページ
価格:1800円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB