文明の源流を探るⅡ
古代エーゲ海・ギリシア文明
著:中川良隆
内容紹介
紀元前480年、人口4,940万人の超大国ペルシア・王直卒の大兵力が、長大な道路・舟橋・運河の建設を行い、周辺国を従属させて、200万人足らずのギリシアに攻め込んだ。ギリシアが負ければ、後の西欧文明はオリエント的なものになったであろう。これに対抗したアテネの将軍テミクレートスは、数学的才能を生かし「サラミス海戦」でトヨタ生産方式の「ジャスト・イン・タイム」と言える戦術で圧勝した。
栄華を誇った都市国家アテネは、紀元前405年のスパルタとの海戦で出動の「200人乗戦艦」180隻の乗員が、食糧調達のため上陸中に乗っ取られ、171隻拿捕と「茶番劇」を見ているように、壊滅・無条件降伏と衰退の道をたどった。
その後、史上初の民主政国家アテネは再び光り輝くことはなかったが、ギリシアの文明・文化は、現在も輝いている(ChatGPT等)。
目次
第1編 オ リンポスの神々がエーゲ海・ギリシア文明を創った
古代ギリシア人が熱狂した、トロイ戦争の物語とオリンポスの神々
1トロイ戦争・オリンポスの神々、そして古代ギリシア人
2ギリシア神話の国造り伝説
3オリンポスの神々
4トロイ戦争と『イリアス』
第2編 メソポタミア文明からエーゲ海文明、BC1200年頃のカタストロフ・暗黒時代
1素晴らしいフレスコ画で飾られた宮殿・舗装と、城壁のないミノア文明
2巨石とドーム構造物・城壁で囲まれたミケーネ文明(BC1600年頃〜BC1200年頃)
3地中海交易の盛況を示すBC14世紀後半のウル・ブルン難破船
4BC1200年頃のカタストロフ。「海の民」と暗黒時代
第3編 ギリシア文明そしてグローバル化の曙。民族移動と海賊行為─ その防衛対策
1なぜ、ギリシア人が定住地から移動したのか?
2民族移動と防御策
3古代ギリシア人と都市国家(ポリス)の誕生
4フェニキア・ギリシア・マケドニア(アレクサンドロス大王)の植民市建設
5海賊行為
第4編 ペルシア戦争(アケメネス朝ペルシア対ギリシア)の戦略・戦術と兵站施設
1ペルシア戦争の概要と出兵規模
2海戦
3ペルシア対ギリシアの陸戦
4ペルシア戦争の兵站施設
5ペルシア戦争後のアテネの防備
第5編 文化で古代世界を制したアテネ。武力でアテネを制したスパルタ。なぜアテネの覇権は75年程度で衰退したのか? なぜアテネの文化は西欧文明となりえたのか?
1アテネとスパルタの歴史的比較
2なぜアテネの文化が後世の西欧文化として、継承されたのか?
3なぜアテネは早く衰退したにもかかわらず、後を継いだローマは長き繁栄ができたのか?
第6編 ギリシア神殿建築
1神殿の考え方
2エジプト・メソポタミア・ギリシア・ローマの神殿及びその形式
3ギリシア神殿の建設方法
4神殿の構成:シュムメトリア・比例
5何故、ギリシア建築の構造美が創り出されたのか?
第7編 オリンピック等祭典と祝祭によって創られた競技・歌舞演劇とその施設
1古代オリンピック/古代ギリシア4大競技祭典と競技施設
2都市の祝祭
3劇場
4古代ギリシアの演劇
第8編 古代ギリシアの浴場文化。古代ローマとの比較を含めて
1運動と入浴
2アスクレピオス聖域とヒポクラテス
3古代ローマの浴場文化
エーゲ海・ギリシア文明の盛衰年表
ISBN:9784866416663
。出版社:リフレ出版/東京図書出版
。判型:4-6
。ページ数:248ページ
。定価:1700円(本体)
。発行年月日:2023年09月
。発売日:2023年09月19日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB。