出版社を探す

心理臨床における遊び

その意味と活用

編:弘中 正美

紙版

内容紹介

遊びとは何だろうか? それが臨床に顕在する意味は?

遊びは,児童心理学のみならず,さまざまな領域からアプローチされている,人間にとってきわめて身近な活動,現象であり,日本語においては,遊びの意味は単なる「子どもの遊戯」を超え,さまざまな意味を持つ言葉である。また心理臨床の実践においても,遊戯療法のみならず,成人や高齢者にいたるまで,遊びのもつ意義は大きい。
本書は,遊戯療法のみならず心理臨床全般においてクライエントが媒体となる遊び,あるいはセラピストが活用する遊び,グループのなかで行われる遊びの意味や機能を,多くの治療現場での事例を通して論じたものである。
遊びをセラピーの現場に活かすことは,多くのクライエントにとって福音となるかもしれない。遊戯療法やプレイセラピー,児童臨床にかかわるセラピストだけでなく,多くの臨床家に読んでいただきたい1冊である。

目次

序章 遊びについて ◆ 弘中正美

第Ⅰ部 理論編
第1章 子どもの発達と遊び ◆ 中澤 潤
第2章 心理療法と遊び
第1節 遊戯療法における「遊び」の意味 ◆ 太田智佐子
第2節 子どもの行動療法と遊び ◆ 岡安孝弘
第3節 子どもが描くこと・描画法と遊び ◆ 佐藤至子
第4節 子どもの集団精神療法における遊び ◆ 清水真理
第5節 集団精神療法と遊び:グループセラピストの遊ぶ機能を考える ◆ 高良 聖
第6節 プロセス指向心理学と遊び ◆ 諸富祥彦
第7節 箱庭療法と遊び──「砂遊び」を伴う心理療法の観点から ◆ 竹松志乃
第8節 心理テストにみる遊び──テスト体験における治療的な意味 ◆ 高瀬由嗣
第3章 発達障害の問題と遊びの治療的意味 ◆ 齊藤万比古

第Ⅱ部 現場編
第4章 教育相談の現場における遊び ◆ 竹村周子
第5章 大学付属心理相談室の現場における遊びの意味──初心者が遊戯療法を担当することを巡って ◆ 濱田祥子
第6章 スクールカウンセリングの現場における遊び ◆ 橋本元子
第7章 不登校・ひきこもり支援の現場における遊び ◆ 笠井孝久
第8章 非行臨床の現場における遊び──対人援助職に求められるもの ◆ 鉄島清毅
第9章 成人の病院臨床の現場における「遊び」 ◆ 中里容子
第10章 子どもの病院臨床の現場における「遊び」 ◆ 高橋未央
第11章 地域支援臨床の現場における遊び ◆ 加藤尚子
第12章 情緒障害児短期治療施設における遊び ◆ 竹下洋子
第13章 虐待を受けた子どもと遊び──遊べない子ども達 ◆ 増沢 高
第14章 総括:心理臨床における遊びの普遍的機能 ◆ 弘中正美

ISBN:9784866160047
出版社:遠見書房
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2016年03月
発売日:2016年06月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM