出版社を探す

反―寺山修司論 《復刻版》

著:永山 則夫

紙版

内容紹介

死刑執行から20年(1997年8月1日)。死刑制度めぐって一大論争を巻き起こした永山則夫の寺山修司との対立は今に何を伝えるのか…!

死刑囚の作家と、歌人にしてマルチタレントとして活躍し、ともに青森で育った寺山。中卒で集団就職した「金の卵」の永山から、「貧しさの問題と社会構造」を提起。「私自身の原因であるとの認識がないかぎり解決しない」という寺山。「犯罪はなぜ生まれるのか」をめぐり「社会」と「個人」で激しく対立した永山の1000枚を超える「反―寺山修司論」(1977年刊)の復刊。

「永山則夫と寺山修司、その邂逅の軌跡」――細見 和之
本書のタイトルから読者はどんな書物を想像するだろう。永山則夫と寺山修司、この二つの名前はおそらくいまも多くのひとびとのなかで、それぞれに記憶されているだろう。永山は十九歳で連続射殺事件を起こし、獄中で『無知の涙』を著し、死刑執行された人物として。一方寺山は、短歌にはじまって、詩、演劇、映画にわたって世界的に華々しく活躍していた人物として。二人は水と油のように思える。しかし、一九七〇年代、両者には交錯するところが確かにあったのだ。…

目次

戦端(「さらば、津軽 =永山則夫の犯罪」 寺山修司) 
第1章 ニセ津軽人と偽善の華々(青森には、むかしから「なんじょがある」…)
第2章 ハイエナ売文屋を駁す(母恋春歌調…) 
第3章 昭和元禄と「連続射殺魔」( 寺山修司の『幸福論』…) 
第4章 デマゴーグを駁す( 偏見と差別…) 
あとがき ―― I 本書の背景 II 反省―共立運動の外観と展望  

著者略歴

著:永山 則夫
1949年6月27日、北海道網走市で生まれる。7歳の時、青森県北津軽郡に転居。65年、中学卒業後、集団就職で上京。渋谷の果物店に就職するが半年で退職。その後、宇都宮、大阪、再び東京と転々とする。68年10月、アメリカ海軍横須賀基地に侵入し、22口径の回転式6 連発拳銃を窃盗。11月にかけて、東京、京都、函館、名古屋で4人を射殺。69年4月逮捕。79年、東京地裁で死刑判決。81年、東京高裁で無期懲役に減刑。しかし90年、最高裁で再び死刑判決。97年8月1日、死刑が執行される。 著書に『無知の涙』(合同出版、角川文庫、河出文庫)、『人民をわすれたカナリアたち』(辺境社、角川文庫、河出文庫)、『愛か-無か』(合同出版)、『動揺記1』(辺境社)、『木橋』(立風書房、河出文庫)、『ソオ連の旅芸人』(昭和出版)、『捨て子ごっこ』(河出書房新社)、『なぜか、海』(河出書房新社)、『異水』(河出書房新社)、『華』(1-4、河出書房新社)

ISBN:9784865980394
出版社:アルファベータブックス
判型:A5
ページ数:380ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2017年08月
発売日:2017年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB