放浪学生(ヴァガンテース)のヨーロッパ中世
著:堀越 孝一
内容紹介
滋味と諧謔精神に富む文章で、西洋中世史への自身の思いを語る「いま、中世の秋」。彷徨える青春時代を回想しつつ、半生をかけて日本語訳と注釈にうちこんできた、ヴィヨン探求の道程をつまびらかにした「わがヴィヨン」を、新たな装いで。
目次
第一部 いま、中世の秋
Ⅰ いま、中世の秋
1 隠国のブルゴーニュ
2 窓外の風景
3 ヴァンセンヌの森の女主人
Ⅱ ある日の講義
1 卒論読みのこと
2 注のある風景
3 ある日の講義
4 くねくね体の文章
5 自由石の親方
6 変成男子御愛用
7 平家納経をみる
8 いうまでもなく、周知の
9 かぎりなくやさしいアキテーヌ
10 風車談義
11 ヴィエンヌの流れのほとりに
12 絵をみる
Ⅲ 青春燔祭
1 若者狩り
2 海辺の墓地
3 オフィリアの歌
4 ロランの歌
5 ドゥイノの悲歌
6 貴婦人と一角獣
7 四月の女王のバラダ
8 綱屋小町の歌
9 リヨンの青春
10 モービュエの水場で
Ⅳ 歴史家の仕事
1 わが蘭学事始
2 叙情の発見
3 小春日和のヴェズレ―
4 わがイミタティオ
5 歴史家の仕事
第二部 わがヴィヨン
一九九二年夏、マロ本を見る
Ⅰ 放浪学生
1 放浪学生の歌
2 師のまねび
3 無頼の伝説
4 遊びの相のもとに
5 無為について
6 わが歴史への道
Ⅱ 旅立ち
1 ふたたびの夏、パリへ
2 人の影、家の影
3 去年の雪、パリの雪
4 あいつも逝って三十年
5 町の考古学
6 燃える指
7 事の発端
Ⅲ 歌の場
1 四つの教会堂
2 セーヌを壺になみなみと
3 母が一度そこに座ったことがある
4 見上げれば女神さま
5 六十七番のビュスでシャトレ下車
6 テー・ジェー・ヴェーとポワトゥーのロバ
7 「四つのエース」の看板
8 わが友ジャック・カルドン
9 詩の地層
10 一九九四年秋、玉川上水の橋の上に月が上る
あとがき