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絶滅鳥ドードーを追い求めた男

空飛ぶ侯爵、蜂須賀正氏 1903-53

著:村上 紀史郎

紙版

内容紹介

絶滅した謎の鳥「ドードー」を偏愛し、その探究に生涯を捧げた数奇な貴族の実像
幼少時から生物を愛し、イギリス留学によって鳥類研究に開眼、17世紀に絶滅した謎の鳥「ドードー」の研究に生涯を捧げ、探検調査のため日本初の自家用機のオーナーパイロットにもなった侯爵、蜂須賀正氏(1903-53)。
海外では異色の鳥類学者として知られ、世界中で収集した膨大な標本コレクションを遺しながら、国内では奇人扱いを受け正当に評価されてこなかったその生涯と業績を、初めて明かす。
◎3/5「世界ふしぎ発見!」(TBS系)で放映!
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■蜂須賀正氏(はちすか・まさうじ)とは――
1903年生まれ、徳島・阿波藩主蜂須賀家十八代当主。幼少時から生物、とくに鳥類を愛し、16歳で日本鳥学会(1912年設立)に入会。次代当主の期待を背負ってイギリスに留学するが、博物学研究の先進地でますます鳥類への関心が高まってドロップアウト。弱冠22歳で鳥類研究者として国際的にデビューする。約7年間の留学中にエジプト、アイスランド、南アフリカなどへ探検調査を行ない、数々の貴重な生物標本を収集する。帰国後も席を温める間もなく、国内各地や朝鮮半島・中国・フィリピン・アフリカへと探検の足を伸ばす。17世紀に発見からわずか100年で人為的に絶滅させられたドードーをはじめとして、絶滅鳥への関心が高く、世界の研究者と交流しながら研究を続ける。自家用機を購入し、日本初のオーナーパイロットとなるが、探検と飛行機で次第に蜂須賀家の財産は食いつぶされ、第二次大戦が始まると、ヨーロッパ仕込みの行状が統制社会になじまず批判を集め、敗戦直前に爵位返上に至る。戦後、ようやく研究の自由を取り戻したなかで、生涯の集大成『ドードーとその一族あるいはマスカリン諸島の絶滅鳥』の執筆に没頭するが、刊行わずか1か月前の1953年5月14日、狭心症によって急逝した。
現在入手できる著書は『南の探険』(平凡社ライブラリー、2006年)。

ISBN:9784865780819
出版社:藤原書店
判型:4-6
ページ数:352ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB