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時代区分は本当に必要か?

連続性と不連続性を再考する

著:ジャック・ル=ゴフ
訳:菅沼 潤

紙版

内容紹介

人間の歴史認識において「時代区分」はいかなる意味を持つのか?
我々の歴史認識を強く束縛する「時代」という枠組みは、いかなる前提を潜ませているのか。
アナール派中世史の泰斗が、「闇の時代=中世」から「光の時代=ルネッサンス」へ、という史観の発生を跡付け、「過去からの進歩」「過去からの断絶」を過剰に背負わされた「時代」概念の再検討を迫る。
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はじめに
序 論
古い時代区分
中世の出現
歴史、教育、時代
ルネッサンスの誕生
今日から見たルネッサンス
中世は「闇の時代」か
長い中世
おわりに

  謝辞
  参考文献一覧
  訳者あとがき
  人名索引

著者略歴

著:ジャック・ル=ゴフ
●ジャック・ル=ゴフ(1924-2014)
中世史家、『アナール』編集委員。南仏のトゥーロン生まれ。青年時代を第二次大戦の戦火の中で過ごしたのち、高等師範学校に進学。高等教育教授資格試験に合格した際、ブローデルやロンバールが審査委員を務め、これがアナール派の歴史家たちに出会う最初の機会となる。以後、ソルボンヌで博士論文を準備するかたわら、アミアンのリセ、国立科学研究所、リール大学文学部にポストを得、またこの間、オックスフォード大学リンカーン・カレッジ、ローマ・フランス学院へ留学。
1959年、アナール派が中心となって組織される高等研究院第六部門に入り、以後、フェーヴル、ブロック、ブローデルらのあとを受け、アナール派第三世代のリーダーとして活躍。69年、ブローデルのあとを受けて、ル=ロワ=ラデュリ、フェローとともに『アナール』誌の編集責任者となる。72年、ブローデルの後任として第六部門部長となり、75年には高等研究院第六部門の社会科学高等研究院としての独立に尽力。さらに78年、同研究院に西洋中世歴史人類学研究グループを立ち上げ、92年の退官までその代表の職を務めた。
訳:菅沼 潤
●菅沼 潤(すがぬま・じゅん)
1965年東京都生まれ。フランス近代文学専攻。訳書にル=ゴフ『中世とは何か』『中世の身体』(以上共訳)『ヨーロッパは中世に誕生したのか?』(藤原書店)、発表仏語論文に「1902 年秋、ブリュージュにおけるプルースト」(慶應仏文学研究室紀要)など。

ISBN:9784865780796
出版社:藤原書店
判型:4-6変
ページ数:224ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD