出版社を探す

『絵入り年代記集成』が描くアレクサンドル・ネフスキーとその時代 全二巻函入

編著:栗生沢猛夫

紙版

内容紹介

ロシアの英雄アレクサンドル・ネフスキーの実像とは? 『絵入り年代記集成』(モスクワ国家の公式的大図解年代記)はアレクサンドルとその時代をどう描いているか。296枚の極彩色の絵(ミニチュア)と年代記テクストから探っていく。絵は、中世ロシア人とドイツ人、スウェーデン人、またモンゴル人などとの戦いの様子、また当時の生活の諸局面(結婚、出産、死)や天変地異(地震、洪水、旱魃、天体現象)、災害(火災、飢饉、疫病)などが生々しく描かれる。それを描かせた、また描いた人々の思惑、そこから立ち現れてくる歴史の実像に迫る。付録にヘンリクス『リヴォニア年代記』(部分訳と訳注)を含む。

目次

第一巻
 第一巻まえがき
 掲載細密画(絵)
  296枚の極彩色の絵(カラー)
 年代記本文訳
  〈ノヴゴロド、プスコフとバルト海東部沿岸地域──13世紀初頭〉
  〈アレクサンドル・ネフスキーの時代〉
  〈タタール(モンゴル)人の最初の来襲〉
  〈アレクサンドル・ネフスキーの登場。年代記における同公への最初の言及〉

第二巻
 第二巻まえがき
 細密画(絵)の説明
 年代記本文(テクスト)の訳注
 〈解説に代えて〉アレクサンドル・ネフスキー──その実像と虚像──
 あとがき
 付録
  1.ヘンリクス『リヴォニア年代記』ルーシ関連部分試訳
  2.ルーシ諸公系図
  3.関連地図
  4.ネフスキー研究文献表
 索引

著者略歴

編著:栗生沢猛夫
1944年岩手県生まれ。北海道大学名誉教授。
著書:『ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー──「動乱」時代のロシア』(山川出版社、1997年)、『タタールのくびき──ロシア史におけるモンゴル支配の研究』(東京大学出版会、2007年)、『図説 ロシアの歴史』(河出書房新社、増補新装版、2014年)、『『ロシア原初年代記』を読む──キエフ・ルーシとヨーロッパ、あるいは「ロシアとヨーロッパ」についての覚書』(成文社、2015年)、『イヴァン雷帝の『絵入り年代記集成』──モスクワ国家の公式的大図解年代記研究序説』(成文社、2019年)、『世界の歴史(11)ビザンツとスラヴ』(共著:井上浩一、中央公論社、1998年/中公文庫、2009年)
訳書:A・Ia・グレーヴィチ『歴史学の革新──「アナール」学派との対話』(吉田俊則と共訳、平凡社、1990年)、R・G・スクルィンニコフ『イヴァン雷帝』(成文社、1994年)、モーリーン・ペリー『スターリンとイヴァン雷帝──スターリン時代のロシアにおけるイヴァン雷帝崇拝』(成文社、2009年)

ISBN:9784865200577
出版社:成文社
判型:A5
ページ数:992ページ
定価:12000円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月27日