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イヴァン雷帝の『絵入り年代記集成』

モスクワ国家の公式的大図解年代記研究序説

著:栗生沢 猛夫

紙版

内容紹介

「天地創造」からの「世界史」とそれに続く16世紀までのロシアの歴史を1万7000余にのぼる極彩色の細密画で描き出そうとする『ロシア絵入り年代記集成』が2009~2010年に初めて刊行された。全40巻の豪華本である。この『集成』はなぜこれまで日の目を見ることがなかったのか。謎の解明を目指すと同時に、その全体構成と内容、歴史史料としての意義について多数の細密画を例に挙げながら具体的に考察する。

目次

まえがき

第1部『絵入り年代記集成』の成立
 第1章『集成』とは何か──全体像と成立の経緯──
 第2章『集成』編纂の歴史──研究の歴史から──
  第1節 手稿本の発見、テクストの刊行
  第2節 成立時期、編纂者(および監修者)、編纂過程
   (1)成立時期、編纂者(および監修者)
   (2)編纂過程
 第3章『集成』における「クロノグラフ編」と「レートピシ編」
 第4章『集成』の細密画

第2部 史料としての『集成』──モスクワ大公国の歴史はどう描かれているか──
 はじめに
 第1章 イヴァン3世治世(1462─1505年)
  第1節 イヴァン3世のソフィヤ(ゾエ)との結婚(1472年)
  第2節 「ウゴールシチナ」(ウグラ河畔の対峙、1480年)
  第3節 ドミトリー・イヴァーノヴィチの戴冠(1498年)
 第2章 ヴァシーリー3世治世(1505─1533年)
 第3章 イヴァン4世(雷帝)治世(1533─1584年)
  第1節 イヴァン4世の誕生(1530年)
  第2節 ツァーリとしての戴冠および結婚(1547年)
  第3節 モスクワ大火と暴動(1547年)
  第4節 ツァーリの発病と貴族「騒乱」(1553年)
  第5節 皇妃アナスタシーヤの崩御(1560年)
 おわりに

あとがき

 付録
  掲載細密画(口絵)一覧
  その他の写真、図版、地図等一覧
  リューリク朝系図
  文献表
  索引

著者略歴

著:栗生沢 猛夫
1944年岩手県生まれ。北海道大学名誉教授。
著書:『ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー──「動乱」時代のロシア』(山川出版社、1997年)、『タタールのくびき──ロシア史におけるモンゴル支配の研究』(東京大学出版会、2007年)、『図説 ロシアの歴史』(河出書房新社、増補新装版、2014年)、『『ロシア原初年代記』を読む──キエフ・ルーシとヨーロッパ、あるいは「ロシアとヨーロッパ」についての覚書』(成文社、2015年)、『世界の歴史(11)ビザンツとスラヴ』(共著:井上浩一、中央公論社、1998年/中公文庫、2009年)
訳書:A・Ia・グレーヴィチ『歴史学の革新──「アナール」学派との対話』(吉田俊則と共訳、平凡社、1990年)、R・G・スクルィンニコフ『イヴァン雷帝』(成文社、1994年)、モーリーン・ペリー『スターリンとイヴァン雷帝──スターリン時代のロシアにおけるイヴァン雷帝崇拝』(成文社、2009年)

ISBN:9784865200300
出版社:成文社
判型:A5
ページ数:396ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA