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健康情報は8割疑え!

京大医学部のヘルスリテラシー教室

著:中山 健夫

紙版

内容紹介

「ワクチンは接種するべきかしないべきか」「この病気にはこの治療法がよい」「これを食べれば病気がよくなる」……あなたはそのような情報を目にしたとき、「根拠」についてどう感じていますか? そしてどう解釈し、どう行動していますか?

テレビやSNSで著名な人が発信しているから、専門家の監修がついているからといって、信頼がおける情報とは限りません。また、信頼度が高く効果のある治療法であっても、同じ病気の人すべてに当てはまるかどうかはわかりません。

本書は、医療・健康情報を理解して活用できる力=「ヘルスリテラシー」指導の第一人者である著者が、初めて一般の人向けにヘルスリテラシーを語った本です。
ただし、私たちが健康を目指して生きていくうえでは、単に「怪しい情報や曖昧な情報を見極め、信頼できる情報を見つける」だけでなく、実際は「信頼できる情報をもとに、どのような行動を起こすかという意思決定が重要です。病気の治療法を選ぶ際には、「期待する効果が得られるか」「副作用はどうか」「治療費はどのくらいか」「自分の価値観に合っているか」など、医療者とよく話し合って納得したうえで、最適なものを選びたいもの。本書では、そのように患者さん自身が情報を手に、医療者と共有意思決定(SDM)を行うための方法を、具体例を挙げて解説しています。

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目次

プロローグ どの情報を選ぶかが、あなたの健康を左右する!?

第1章 健康情報はここを疑え! ――情報を見極めるための8つの掟
 掟①必ず根拠を探せ!/掟②情報の偏りを見逃すな!/掟③数字の「あおり」につられない!/掟④数字の「見た目」にだまされない!/掟⑤因果関係を見極める!/掟⑥比較の対象を意識する!/掟⑦情報の出どころをチェックする!/掟⑧リスク(危険)とベネフィット(利益)をチェックする!

第2章 メディア情報との付き合い方
 ネットで信頼できる情報を得るためには?/人は“自分に都合のよい情報”を集めてしまう/ニセ医療情報は、なぜSNSで拡散しやすいのか/ネットの情報に惑わされないために確認すべきこと/健康・医療系のウェブサイトを見極めるにはここを見よ!/テレビの健康情報番組は信頼できる?

第3章 選んだ情報から「白黒つける」――意思決定のポイント
 根拠はどれも濃淡の違う「グレー」/根拠に基づく医療(EBM)という考え方/意思決定に影響するもの/集めた情報が自分に当てはまるかどうかを判断し、決定、行動する/「最新の治療法がベストな治療法」ではない/ガイドラインはエビデンスの積み重ね/「インフォームド・コンセント」と「SDM(共有意思決定)」/SDMへの架け橋―― 患者さんにとってのEBM/EBMの5つのステップ/SDMにおけるコミュニケーション

著者略歴

著:中山 健夫
1987年東京医科歯科大学医学部卒。国立がんセンター研究所がん情報研究部室長などを経て2006年より現職。2016~19年同専攻長・医学研究科副研究科長。同専攻ベストティーチャー賞・ベストコースワーク賞など受賞。社会医学系専門医協会社会医学系専門医・指導医、日本疫学会上級疫学専門家・学会功労賞(2021年)。経済産業省・厚生労働省予防・健康づくりの大規模実証に関する有識者会議座長、厚生労働省e-ヘルスネット情報評価委員会座長、日本医療研究開発機構(AMED)認知症事業プログラムオフィサー、日本医学会連合診療ガイドライン検討委員・日本医学雑誌編集者会議委員、日本医療機能評価機構Minds運営委員長などを務める。

ISBN:9784865138160
出版社:株式会社法研
判型:B6
ページ数:184ページ
価格:1400円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD