最新版 膠原病・リウマチがわかる本
節々の痛みへの対処法、病気とのつきあい方
著:宮坂 信之
内容紹介
膠原病とは、血管や結合組織とよばれる部分に炎症がおこる慢性の病気です。血管や結合組織がからだのあちこちにあるため、全身に病気がおこることから難病とされています。そのため、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、血管炎症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病など、からだのどこにどのようにできるかで、様々な病名であらわされることになります。
また、原因はまだ解明されていないため、専門医による早期診断と早期治療が大切になりますが、治療は長期間に及ぶため、専門医による適切な指導とともに、患者さん自身の病気に対する理解と根気が必要になります。
膠原病やリウマチ性疾患は慢性に経過する病気です。病気とけんかをしても、病気は決してよくなりません。むしろ、病気と仲よくしつつ、病気を怒らせないように工夫することが大切で、患者さんひとり一人が単独で病気に向き合うのではなく、ご家族やお友達が病気を理解し、患者さんを精神的に支えてあげられることも大切になってきます。
そこで本書は、個々の症状の原因から診断、治療薬、日常生活の過ごし方、食事や運動から、妊娠と出産、諸制度、医療助成まで、患者さんとご家族が情報を共有し、病気と上手につきあっていくためのひととおりの最新知識を得ていただけることを目指して編集されています。
平成19年刊『新版 膠原病がわかる本』の最新改訂版。とくにこの数年間で飛躍的な進歩を遂げたリウマチ治療については、大きく書き改めました。巻末に患者さんを支える組織、用語解説。
目次
第1章 膠原病とはどんな病気なのか
膠原病ってどんな病気なの/膠原病は三つの顔をもつ/膠原病はめずらしい病気なの?/膠原病って治るの?
第2章 膠原病の原因はどこまで解明されたのか
膠原病研究の現状/膠原病って遺伝するの?/膠原病の環境要因/膠原病は女性に多い病気/膠原病の歴史
第3章 膠原病が疑われるとき
膠原病に共通してみられる症状
第4章 膠原病の症状と診断・治療
①全身性エリテマトーデス(SLE)/②関節リウマチ(RA)/③多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)/④強皮症(SSc)/⑤混合性結合組織病(MCTD)/⑥血管炎症候群/⑦シェーグレン症候群(SS)/⑧ベーチェット病/⑨その他の膠原病/⑩膠原病と間違えやすい病気
第5章 膠原病の治療薬
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)/抗リウマチ薬(DMARDs)/ステロイド/免疫抑制薬/生物学的製剤
第6章 QOLを向上させるために
リハビリテーション/長くつきあえるお医者さんを見つけよう/その他、知っておきたいこと
第7章 膠原病と上手につきあう方法
日常生活を快適に過ごすために/結婚と妊娠・出産と育児/日本の難病対策/患者さんを支える組織
付 録 用語解説