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外国籍だと調停委員になれないの?

著:日本弁護士連合会

紙版

内容紹介

多文化共生社会に逆行する最高裁判所の差別的取扱い。その矛盾を根底から問う!

「「当然の法理」(最高裁)が、歴史的にも法的にも、世間の常識からも破綻していることを本書は厳しく告発する。
霞ヶ関、永田町界隈の論理が崩れても、強権で押し通してきた綻びは、必ず決壊するだろう。未来は正論にこそある。」
有田芳生(ジャーナリスト)

目次

はじめに  吉井正明

第1部 現実編
第1章 私が当事者に⁉  梁英子
 ■コラム 会長声明を出しました  津久井 進
第2章 「あいうえお」からの司法試験合格-――夢をあきらめないで  白承豪
 ■コラム 立志伝中の人 野口善國
第3章 裁判所の対応とそれに対する弁護士会の取り組み  空野佳弘

第2部 非常勤公務員と国籍
第1章 調停委員等の仕事
(1)調停委員  安藤昌司
(2)司法委員  殷勇基
(3)参与員  呉裕麻
第2章 その他の非常勤公務員の実状
(1)保護司  野口善國
(2)刑事施設視察委員会委員  白承豪
(3)入国者収容所等視察委員会委員  金喜朝
(4)消防団員  吉井正明

第3部 理論編
第1章 問題の所在  空野佳弘
第2章 法律はどうなっているのか――国籍条項の法的根拠  安藤昌司
第3章 日本における国籍条項
(1)「当然の法理」批判  池田直樹
(2)諸外国との比較  宮本恵伸
(3)司法参画  韓雅之
第4章 憲法・国際人権の観点から  吉井正明
第5章 在日朝鮮人・台湾人の国籍の歴史的考察  崔信義
第6章 多文化共生社会と調停制度、調停委員  大杉光子

第4部 最高裁に採用拒否された弁護士たち
第1章 憲法、国際人権法と公務就任権  申惠丰
第2章 最高裁に調停委員採用を拒否された弁護士の横顔  韓雅之

おわりに  空野佳弘

資料編
1 平和条約に伴う朝鮮人、台湾人等に関する国籍及び戸籍事務の処理について(通知)(1952年4月19日付)
2 日本国籍を有しない張有忠弁護士の調停委員就任
3 日弁連から最高裁に対する照会書(2008年9月25日付)及び回答書(2008年10月14日付)
4 日弁連「外国籍調停委員・司法委員の採用を求める意見書」(2009年3月18日)
5 日弁連要望書(2011年3月30日)
6 調停委員任命上申除外に対する不服申立資料
7 人種差別撤廃委員会総括所見関係箇所(2010、2014、2018年)
8 諸外国の公務就任権(近藤敦)
9 家事調停委員の外国人差別発言におもうこと(斐明玉)
10 調停委員への国籍による排除(坂本洋子)

著者略歴

著:日本弁護士連合会
【編者発刊の辞より】
 2022年、調停制度創設後100年を迎えました。
当連合会は、執行方針として多文化共生総合窓口との連携による外国人住民に対する司法アクセスの拡充を掲げています。
年々調停制度を利用する人が増え、国際化が進む中、裁判所に対しては、様々なニーズに応える制度改革が期待されます。
最高裁の現在の運用は、調停委員の資質に関係なく、国籍というだけで、その採用の是非を決めるもので、
差別的な取扱いであるとともに、国際化に逆行するものとも言えます。
本書の発刊が、外国籍調停委員の実現の一助になれば幸いです。

ISBN:9784865001525
出版社:生活書院
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA