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ミシェル・ビュトール評論集

レペルトワールⅡ [1964] II [1964]

著:ミシェル・ビュトール
監:石橋正孝
他訳:三ツ堀広一郎

紙版

内容紹介

「長編小説(ロマン)と詩」を筆頭に、長編小説をめぐる原論的考察を中心とする前半の理論篇、ラブレー、セルバンテス、ラクロ、シャトーブリアン、バルザック、ユゴー、マラルメ、プルースト、そしてビュトール自身を対象とするモノグラフィからなる後半の応用篇という二連画(ディプティック)が、いつしか長編小説(ロマン)の似姿となり、みずからを超克していく――小説を超える小説(シュルロマン)としての文芸批評、ここに開幕!

目次

長編小説(ロマン)と詩
音楽すなわちリアリズム芸術
長編小説(ロマン)の空間
「家具の哲学」
長編小説(ロマン)における人称代名詞の使用
長編小説(ロマン)における個人と集団
長編小説(ロマン)の技術をめぐる探求
ページについて
物体としての本
いわゆる「一二一人宣言」について
批評家と公衆
ラブレー
『模範小説集』
『危険な関係』について
シャトーブリアンと旧アメリカ
貧しき縁者
さかさまのバベル
小説家ヴィクトル・ユゴー
ブーレーズによるマラルメ
プルーストにおける架空の芸術作品
「テル・ケル」誌への回答

 註
 初出一覧
 解題――石橋正孝

著者略歴

著:ミシェル・ビュトール
ミシェル・ビュトール(Michel Butor 1926‐2016)
フランスの小説家、詩人、批評家。ヌーヴォー・ロマンの作家の旗手のひとりと目される。1956年、小説第二作『時間割』(L’emploi du temps)でフェネオン賞(le Prix Fénéon)を受賞、翌年1957年第三作目の『心変わり』(La Modification)でルノドー賞(le Prix Théophraste Renaudot)を受賞し注目を集めた(主人公に二人称代名詞を採用した小説作品として有名)。1960年に四作目の『段階』(Degrés)を発表後は小説作品から離れ、1962年『モビール──アメリカ合衆国再現の習作』(Mobile: Étude pour une représentation des États-Unis)を皮切りに空間詩とよばれる作品を発表し始める。画家とのコラボレーション作品が数多く、書物を利用した表現の可能性を追究し続けた。文学をはじめ絵画、音楽などを論じた評論集『レペルトワール I~V』(本書、以下五巻で完結)がある。
監:石橋正孝
石橋正孝
1974年、横浜生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、パリ第八大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学観光学部准教授。専門は19世紀フランス文学(ジュール・ヴェルヌ)。著書に『大西巨人 闘争する秘密』(左右社)、『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険──ジュール・ヴェルヌとピエール゠ジュール・エッツェル』、『Michel Butor : à la frontière ou l’art des passages』(共著、ディジョン大学出版局)、『あらゆる文士は娼婦である─19世紀フランスの出版人と作家たち』(共著、白水社)など。訳書にミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』(監訳、幻戯書房)、『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションII 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』(インスクリプト)、レジス・メサック『「探偵小説」の考古学──セレンディップの三人の王子たちからシャーロック・ホームズまで』(監訳、国書刊行会)がある。
他訳:三ツ堀広一郎
三ツ堀広一郎
1972年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は現代フランス文学。訳書に、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』(共訳、幻戯書房)、ドミニク・ラバテ『二十世紀フランス小説』(白水社)、レーモン・クノー『ルイユから遠くはなれて』(水声社)、フィリップ・ソレルス『本当の小説 回想録』(水声社)がある。

ISBN:9784864882378
出版社:幻戯書房
判型:A5
ページ数:360ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2021年12月
発売日:2021年12月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS