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ルリユール叢書

魂の不滅なる白い砂漠

詩と詩論

著:ピエール・ルヴェルディ
訳:平林 通洋
訳:山口 孝行

紙版

内容紹介

シュルレアリスムの先駆的存在と知らしめた〈イマージュ〉から孤高の存在へと歩を進めた詩人ルヴェルディ――初期から晩年に至る30篇の「詩」、本邦初訳「詩と呼ばれるこの情動」他「詩論」4篇、E・グリッサンのルヴェルディ論を付したルヴェルディ詩学の核心に迫る精選作品集。


詩にとっての現実とは詩人の魂が本質現実(レエル)をこうして切望する際におこる作用のことになるだろう。書かれた詩は、つまるところ、あらゆる事物を結びつけているもっとも遠ざかった関係についての鋭い感覚が直感から生じる偉大な力と連携して飛翔となりそれだけが作用している、そのような次元にある絶対的な現実をかくも切望した結果でしかないものだ。

目次

 詩人のことば──巻頭言に変えて

I 詩
 (スレートが一枚ずつ……)
 文字盤
 天窓
 夜遅く
 鐘の音
 朝方
 太陽
 待ちながら
 現在の精神
 美しき西方
 より清らかな血
 セントラル・ヒーティング
 さらに愛を
 いつも愛を
 翼の先端
 自由の種
 愚かさの鞘
 忘却の標石
 流れ星
 近くのドア
 魂の不滅なる白い砂漠
 美で満ちた頭
 二つの星
 水平線を飲んだくれる者ども
 不意の心情
 秘められた内奥
 季節の翌日
 ギリシア旅行
 流砂
 「I 詩」解説

II 詩論
 イマージュ
 抒情
 詩
 詩と呼ばれるこの情動
 「II 詩論」解説

  附論
   エドゥアール・グリッサン「純粋な風景」

  ピエール・ルヴェルディ[1889–1960]年譜
  訳者解題
  訳者あとがき

著者略歴

著:ピエール・ルヴェルディ
ピエール・ルヴェルディ(Pierre Reverdy 1889–1960)
南仏ナルボンヌに生まれる。21歳のときにパリに移り、詩人マックス・ジャコブや画家パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックなどと親交を結ぶ。1915年処女詩集『散文詩集』を出版。1917年から雑誌「南北」を主宰しながら1918年には詩集『屋根のスレート』を刊行。1926年にはパリを離れてサルト県ソレームに隠遁。その後詩集『屑鉄』『死者たちの歌』、手記『私の航海日誌』などを出版し、生涯にわたり書く行為を続けた。
訳:平林 通洋
平林通洋
1972年大阪府生まれ。立教大学文学研究科博士後期課程満期退学。パリ第三大学DEA課程修了。いくつかの大学でフランス語講師を務めた後、現在は仏語圏アフリカ諸国との国際協力を中心に日仏通訳・翻訳者として活動。
訳:山口 孝行
山口孝行
1970年群馬県生まれ。筑波大学博士一貫課程修了。博士(文学)。パリ第三大学マステールII修了。現在はECC国際外語専門学校専任講師、神戸大学国際教養教育院および人文学研究科非常勤講師。主な著書に『ピエール・ルヴェルディとあわいの詩学』(水声社、2021年)がある。

ISBN:9784864882279
出版社:幻戯書房
判型:4-6変
ページ数:264ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC