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ルリユール叢書

ボスの影

著:マルティン・ルイス・グスマン
訳:寺尾 隆吉

紙版

内容紹介

メキシコで、銃以外の手段で大統領になることはできません。

オクタビオ・パス、カルロス・フエンテス、ホセ・エミリオ・パチェーコらラテンアメリカ文学の巨匠に激賞された政治家・作家マルティン・ルイス・グスマン――
作家みずから体験した1923年の政争、1927年セラーノ暗殺事件を題材に、首都メキシコシティで繰り広げられる、血なまぐさい政権抗争と人間の悲哀を描く〈メキシコ革命小説〉の白眉。本邦初訳。


ローマの歴史家を思わせるほど鮮やかなマルティン・ルイス・グスマンの散文は、一種の古典的透明性を備えている。扱うテーマは残酷だが、彼はそれを落ち着いた揺るぎない筆致で描き出す。──オクタビオ・パス

グスマンは古典的な仕方で内容と形式を融合させようとする。一種の言語的永遠を目指して書いているのだ。──カルロス・フエンテス

著者略歴

著:マルティン・ルイス・グスマン
マルティン・ルイス・グスマン(Martín Luis Guzmán 1887–1976)
メキシコ・チワワ生まれの作家。メキシコシティで法学を修めた後、先鋭的知識人グループのアテネオに参加し、ジャーナリズムに従事。メキシコ革命勃発後、1913年にパンチョ・ビジャの北軍に合流、文民として彼の顧問役を務める。革命政権発足後、何度も政争に巻き込まれながらも、自らの理想を貫き、スペインとアメリカ合衆国で二度の亡命生活を余儀なくされる。革命戦争を記録した『鷲と蛇』、政治小説『ボスの影』のほか、回想録『パンチョ・ビジャの思い出』などを残した。
訳:寺尾 隆吉
寺尾隆吉(てらお・りゅうきち) 1971年、名古屋市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専門は20世紀のラテンアメリカ小説。著書に『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書)、『100人の作家で知る ラテンアメリカ文学ガイドブック』(勉誠出版)など。訳書にホセ・ドノソ『別荘』(現代企画室)、バルガス・ジョサ『水を得た魚』(水声社)など多数。

ISBN:9784864882064
出版社:幻戯書房
判型:4-6変
ページ数:360ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB