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エアスイミング

著:シャーロット・ジョーンズ
訳:小川 公代

紙版

内容紹介

「ほらね、私はまだ皮肉でわらえるんだ。」
「葉巻が触法的精神異常かどうか考えてごらん。全く関係ないだろ。どう思う?」
「このどうしようもないクソ泡立て器で頭に穴を開けようとしてるわけ。」

1920年代英国、精神異常の烙印を押され、
収容施設に収監された二人の女。
社会から孤絶した彼女たちは、
〈想像力〉と〈声〉を頼りに生き延びようとする--

本邦初訳、世界各国で上演され話題を呼んだ、
イギリス鬼才の劇作家、シャーロット・ジョーンズの代表作。
触法精神障害者の実話を基に、
〝痛み〟〝苦しみ〟〝患う〟現代人のオラリティを掬い上げる、
アウトリーチとしての劇文学の誕生!

著者略歴

著:シャーロット・ジョーンズ
1968年生まれ。劇作家・女優。本作『エアスイミング』(Airswimming 1997)、『マーサとジョウジーと中国人のエルヴィス』(Martha, Josie and the Chinese Elvis 1998)、『焔の中で』(In Flame. 1999)、『ハンブルボーイ』(Humble Boy 2001)など、人間を不幸に追い込んでしまうような心身の痛み、苦しみ、そしてその愁訴の声を伝える手段としての言葉を大切にする作品を発表。なかでも 『ハンブルボーイ』は英国やその他の国でも評価が高く、批評家協会演劇賞を受賞している。
訳:小川 公代
1972 年生まれ。ケンブリッジ大学卒業。グラスゴー大学にて博士号(文学)取得。現在、上智大学外国語学部英語学科准教授。専門はイギリスロマン主義文学。論文に、「『高慢と偏見』にみる感受性ーー錯誤と精神医学言説」(『イギリス・ロマン派研究』37 号、2013)、“ ‘Roaming fancy’ and Imagination: Gothic Force in Austen’s Northanger Abbey and Keats’s Isabella” (Studies in English Literature, 57、2016)など。共編著に、『文学とアダプテーションーーヨーロッパ文化の変容』(春風社、2017)、共著に、『オースティン研究の今』(彩流社、2017)などがある。

ISBN:9784864881630
出版社:幻戯書房
判型:4-6
ページ数:160ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2018年12月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DD