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数列の極限と実数の構成

著:井出 学

紙版

内容紹介

本書では、カントール流の実数体の構成法や、数列の極限についてのε-N論法、関数の極限についてのε-δ論法を解説しています。

カントール流の実数論を簡単にいうと、実数には無限小数表示があるから実数とは有理数列の極限のことだと思おうということです。例えば円周率は3, 3.1, 3.14, 3.141, 3.1415, ・・・ と続く有理数列の極限と思えます。
有理数列の中で実数体の中でなら収束しそうなもの(有理コーシー列)全体を考え、同じ極限に収束しそうな数列は同じものとみなせば、有理数列の極限の空間、すなわち実数体を作ることができるというのがカントール流の構成法です。

○内容
第1章:論理学・集合論・抽象代数・順序関係・同値関係・選択公理の入門コース
第2章:ペアノの公理から自然数(加法・乗法・順序等)の構成について解説
第3章:自然数から整数環の構成、整数環から有理数体の構成について解説
第4章:実数体を公理的に与え、数列の極限や、ε-N論法、コーシー列について解説
第5章:一般の順序体の完備化を解説、実数体を構成する
第6章:実数列の極限について、部分列や発散列について解説
第7章:数列の極限をつかって関数の極限を定義。連続関数やε-δ論法について解説
第8章:実数の無限小数表示について解説

○目的別勉強順
【目的1】 ペアノの公理から自然数、整数、有理数、実数の構成を学びたい
(第1章、特に1.4, 1.5, 1.6, 1.7)→第2章→第3章→(第4章)→第5章
【目的2】 数列の極限と関数の極限を学びたい
(第1章、特に1.5, 1.6)→第4章→5.1+5.2→第6章→第7章
()は必要に応じて読めばよい

ISBN:9784864740821
出版社:ITSC/静岡学術出版
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2017年05月
発売日:2017年05月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBH