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先史考古学論考 石器と先史文化

著:橋本 勝雄

紙版

内容紹介

本書は、半世紀に及ぶ我が研究人生の到達点であり、また同時に通過点でもある。筆者はこれまで、関東の石器群を中心として先史文化の解明を模索し、逐次その成果を披瀝してきた。この間、新たな視点を求めて資料の悉皆調査と徹底的な観察に努め、隠れた資料にも光を当てる日々が続いた。
 その結果、旧石器時代の「環状ユニット(ブロック群)」(1987年)・北方系細石刃石器群」(1989年)・「茨城編年」(1995年)、縄文時代の「木葉形薄型尖頭器」(2008年)・「花輪台型石鏃」(2018年)・「向ノ原型五角形鏃」(2018年)・「駿豆五角形鏃」(2014・2016年)・「段間型箆状石器」(1984年)、および石器石材の一種である「東北頁岩」(2013年)などの学術用語を提唱し、併せて基礎的な知見も提示することができた。
 本書の執筆にあたっては、これまでの著作のうち主なものを、時系列に沿って12の論考(「環状ユニット(ブロック群)の歴史的意義」、「国府系石器群の特質とその意味」、「上ゲ屋型彫刻刀形石器の特質とその評価」、「北方系細石刃石器群の研究」、「東日本におけるホロカ型細石刃石器群の実相」、「本ノ木型尖頭器総論(新編)」、「神子柴型石斧の実像とその系譜」、「神子柴型石斧の終焉と次世代の石斧の出現」、「縄文時草創期後半の両面加工石器群の様相とその展開」、「「渡来石器」と北回りの石器群」、「「駿豆五角形鏃」の登場と意義」、「出現期の石鏃とその系譜」)に再編成し、併せて最新のデータを追加して内容を一新した。また、読者諸賢の検証の便を図るために可能な限り基礎データの提示に努めた。

目次

第1部 旧石器時代
環状ユニット(ブロック群)の歴史的意義
国府系石器群の特質とその意味 翼状剥片と有底横長剥片
上ゲ屋型彫刻刀形石器の特質とその評価
北方系細石刃石器群の研究 北方系集団の南下に伴う石器群の技術的変容
東日本におけるホロカ型細石刃石器群の実相
第2部 旧石器・縄文時代移行期
本ノ木型尖頭器総論(新編)
神子柴型石斧の実像とその系譜 関東の事例を中心として
神子柴型石斧の終焉と次世代の石斧の出現
第3部 縄文時代
縄文草創期後半の両面加工石器群の様相とその展開 「寒の戻り」と石器群の適応
「渡来石器」と北回りの石器群 縄文時代草創期後半における本州と北海道の石器群の対比
「駿豆五角形鏃」の登場と意義
出現期の石鏃とその系譜 関東・中部を中心として

著者略歴

著:橋本 勝雄
1952(昭和27)年11月17日生
出身地 静岡県三島市
勤務先 公益財団法人千葉県教育振興財団(2023年3月現在)
1979(昭和54)年3月 東北大学大学院文学研究科博士課程前期修了(国史学専攻)
1979(昭和54)年4月 千葉県教育委員会勤務
2013(平成25)年3月 千葉県教育委員会定年退職
2013(平成25)年4月 公益財団法人千葉県教育振興財団勤務

ISBN:9784864451635
出版社:六一書房
判型:B5
ページ数:353ページ
定価:10000円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ