戎光祥近代史論集 第4巻
城郭がたどった近代
軍営・官公庁・公園・観光地への転換
編:髙田 徹
紙版
内容紹介
陸軍省や大蔵省への管轄変更、払い下げ、遺構の破壊・改変、顕彰活動など、いわゆる「廃城令」の存廃決定で揺れ動く各地域の城郭の実態を分析し、時代相を浮き彫りにする。
私たちが目にする城郭は、いかにして現在のかたちになったのか?
名古屋城・安土城・姫路城・熊本城をはじめ、古代山城・中世城郭・要塞等の近代特有の論点にも言及。
目次
総論 近代における城郭の軍事性 髙田 徹
第一部 近世から近代への転換
Ⅰ 近世城郭の近現代史――その継承と断絶について 佐々木孝文
Ⅱ 城郭と観光 森山英一
第二部 近代における地域の実情
Ⅰ 近代における旧仙台藩の支城群に対する認識変化 太田秀春
Ⅱ 名古屋城と近代――御深井丸と乃木倉庫を中心に 朝日美砂子
Ⅲ 大垣城天守の近代 野中勝利
Ⅳ 公園化以前の和歌山城――陸軍による管理と旧紀州藩士族の動向 大山僚介
Ⅴ 近世城郭の史蹟指定と地域社会――姫路城を事例に 竹内 信
Ⅵ 昭和初期における「姫路城三ノ丸城址復旧計画」と大手門の復興 工藤茂博
Ⅶ 軍用地としての熊本城と都市の近代化 美濃口紀子
第三部 古代・中世・織豊期城郭の近代と要塞
Ⅰ 古代城郭研究の黎明期 向井一雄
Ⅱ 近代における旧尾張国の中世城館――その変容を中心として 髙田 徹
Ⅲ 安土城の近代 松下 浩
Ⅳ 日本の近代要塞――東京湾要塞を例に 坂井尚登