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中世武士選書 48

九鬼嘉隆と九鬼水軍

戦国最強を誇った水軍大将の興亡

著:豊田祥三

紙版

内容紹介

織田信長・豊臣秀吉のもとで水軍大将として活躍した九鬼嘉隆。嘉隆以前の一族の動向、毛利水軍との激戦、朝鮮出兵、関ヶ原の戦いの末の自害といった嘉隆の生涯を解き明かす。嘉隆以後の一族の活躍や御家騒動、本拠鳥羽城跡や操船技術に関わった捕鯨の実態など最新研究満載な九鬼氏初めての通史。著者は嘉隆ゆかりの地・鳥羽市の教育委員会で九鬼氏の関係史料や宝物・史跡の調査に長く携わり、九鬼嘉隆の図録の編纂もしてきた九鬼氏研究のエキスパートである。

目次

はしがき
凡例

第一章 中世志摩の海賊衆
太平洋海運の要所・志摩/中世史料にみえる九鬼氏
中世志摩の海運をめぐる警固と嶋衆
嶋衆を構成した勢力/志摩地域の通行手形

第二章 九鬼氏の動向と嘉隆の登場
謎に包まれた九鬼氏の出自/嘉隆以前の九鬼氏/志摩と北畠氏の侵攻
嶋衆をめぐる呼称について/嘉隆の登場と織田信長への仕官
勢力を増す嘉隆が嶋衆と戦う志摩を逐われた勢力の行方
戦国大名と海賊衆/甥・澄隆が非業の死を遂げ、嘉隆が当主となる

第三章 織田信長と嘉隆
長島一向一揆が勃発する/第一次木津川口の戦いと大船の建造/鉄甲船の謎/
第二次木津川口の戦いで勝利を引きよせる/嘉隆と堺のネットワーク/
第二次木津川口の戦い以降も海上警固に従事する/徳川家康と嘉隆の交流/
重要な転機となった鳥羽進出

第四章 豊臣政権下の九鬼氏
秀吉の配下へ/小牧・長久手の戦いを経て一国の大名へ/
豊臣水軍の将として島津攻め・小田原攻めに出兵/
船手の主力となった文禄の役/苦戦する九鬼氏/文禄・慶長期の九鬼氏を知る史料
嘉隆の子息たちの動向/造船能力を存分に発揮した大船建造
朝鮮出兵に際して新造された日本丸/造船力を有した要因

第五章 嘉隆から守隆への家督継承
慶長の役への不参加/嘉隆の隠居と守隆への家督相続
代替わりにともない権限を移管する/嘉隆の隠居後の動向
九鬼氏への法体禁止指示/嘉隆の領国経営

第六章 関ヶ原の戦いと父子の争い
父子でぶつかりあう嘉隆と守隆/関ヶ原外伝、神宮領での戦い

第七章 嘉隆亡き後の九鬼氏
堅実な差配で活躍した守隆/守隆の骨董品収集
大坂の陣で活躍した三国丸の建造
守隆の後継をめぐる御家騒動が勃発/幕府の判断

第八章 九鬼氏の居城鳥羽城
九鬼水軍の居城・鳥羽城跡/鳥羽城の絵図と縄張り/発掘調査による成果

第九章 捕鯨と海賊衆
鯨漁と操船技術をめぐって/古式捕鯨のはじまりと海賊衆
集団漁法と海賊(水軍)/九鬼氏と鯨漁/鯨漁や鯔楯漁と水軍

終 章 海から離れた九鬼氏
三田藩九鬼氏の動向/綾部藩九鬼氏の動向/九鬼氏の先祖意識について

あとがき/参考文献一覧/九鬼嘉隆略年表 

ISBN:9784864034814
出版社:戎光祥出版
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WQY