新鋭短歌シリーズ 49
水の聖歌隊
著:笹川 諒
監:内山 晶太
紙版
内容紹介
現実と幻影の溶けあう場所へ
言葉とこころにはあとさきがない。
混沌が、輝きながら実っている。(内山晶太)
【5首】
椅子に深く、この世に浅く腰かける 何かこぼれる感じがあって
手は遠さ 水にも蕊があると言うあなたをひどく静かに呼んだ
しんとしたドアをこころに、その中に見知らぬ旗と少年を置く
硝子が森に還れないことさびしくてあなたの敬語の語尾がゆらぐよ
でも日々は相場を知らない露天商みたいな横顔をふと見せる