新鋭短歌シリーズ 21
それはとても速くて永い
著:法橋 ひらく
紙版
内容紹介
ふたたび走り出すために
いつかうけとったあなたの言葉が、
新しい光になる
東 直子
〈自選短歌五首〉
冬がくる 空はフィルムのつめたさで誰の敵にもなれずに僕は
開かれたままの図鑑の重たさよ虹のなりたち詳細すぎる
祈るとき目を閉じるとこ似ているね神の名前のひしめく惑星(ほし)で
流されて吹き寄せられて川をゆく花びらみたい 手を振るから
青く暮れる視界のすべて(愛したい)焼き切るための強い瞼を