詩集 夏至まで
著:吉貝 甚蔵
紙版
内容紹介
夏至まで
てんびんにのる昼と夜
その かしいでいくバランスに
短い夜の夢は
こぼれる
ねえ 水の音だね
うん 水路だよ
雨の気配が
鼻腔をなでる
目覚めはゆるやかな
船の軌跡か
夜の続きの
こぼれた夢を追いかけながら
水の都市をめぐる
ほら あの薄明かり
そう あれは海だね
忘れてしまった幾つもの
夜明け前が
そそぎ出す河口を抜け
そろそろと
まどろみの先に
出かけようとする
真昼までは まだ
遠い時間
目次
*
朝を待つ
夏至まで
あしたに向けての
最後の次に
声の行方
たずさえながら
うつむく季節
**
話を続けて
遥かへの対話
そこにいる
月夜の散歩
まん中にいる
海をわたる
直方体は夢の形象?
磁場まで
「不思議の国のアリス」奇想曲
***
スウィング・バイⅠ
スウィング・バイⅡ
スウィング・バイファイナル
☆ から始まり
****
美野島橋通り商店街
色の階梯
衝突する囁き
多面の明日へ
反・出・森記
そして たぶん
あとがき