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社会事業史学会創立50周年記念論文集 戦後社会福祉の歴史研究と方法―継承・展開・創造 第2巻〈理論・総括〉

編:社会事業史学会創立50周年記念論文集刊行委員会

紙版

内容紹介

1973年に設立され、2023年に創立50周年を迎える「社会事業史学会」。学会創立50周年を記念し、学会員の総力をもって創りあげた論文集である。

学会の基本理念を具体化すべく、全会員に呼びかけ公募によって選定された44本の論文を収録する。

各論文の主要テーマは社会福祉における「歴史研究と方法」。各論文は、歴史研究の「方法論」を自覚し先行研究の検証と執筆者自らの研究実績を顧み、今後の専門的研究の展望を拓くことを趣旨として執筆されている。

第2巻の論点は、人権/地域福祉と福祉運動/貧困と福祉労働/福祉の対象と支援/実践史/社会史/史料論。広がる多様かつ多義的テーマが語る、社会事業史学会の歴史研究の推移と現状および今後の展開。

目次

第2巻《理論・総括》

Ⅰ 福祉原論と人権 歴史のなかでどう捉えるのか

・社会福祉原論研究における歴史研究の位置付けについて《岩崎晋也》

・戦後における社会福祉法制研究の軌跡と課題《鵜沼憲晴》
              
Ⅱ 地域福祉の展開と福祉運動の捉え方

・地域福祉の源としてのセツルメントの小規模さと文化性、人格的交流、主体形成《柴田謙治》

・複合的側面を有する対象への研究方法論の検討-学生セツルメント史研究を例として《岡本周佳》

・社会事業の運動史―戦前・戦後の運動の相違と連続性《渡邊かおり》

Ⅲ 貧困と福祉労働からの視座

・生活困窮者・貧困研究における方法論の到達点と限界の克服―「エネルギ革命期」の生活困窮者救済をめぐって《平 将志》

・高齢期の貧困、生活問題研究とその周辺―1960年代~1990年代前半を中心に《山田知子》

・戦後失業対策事業・失対労働者研究の意義と射程―被差別部落民・在日朝鮮人・女性失対労働者《杉本弘幸》

・社会福祉労働論の歴史的成果と今日の課題《義基祐正》

Ⅳ 福祉対象の把握と支援の視座

・児童・少年の司法福祉史研究―児童・少年保護の対立史から連係・協力史への視座《竹原幸太》

・高齢福祉史研究の方法論の回顧とホームヘルプ事業史研究の展望《中嶌 洋》

・衛生、医療史研究の方法論の回顧と展望―精神医療史から社会事業史への接点をさぐる《橋本 明》

・社会福祉学領域における精神障害者に関する歴史研究の動向《宇都宮みのり》

・社会事業分野の専門相談に関する歴史研究の課題《末田邦子》

・「精神保健福祉」通史―精神科領域単独の国家資格化を経た、現代におけるソーシャワーク回帰と地域での役割開放《大西次郎》

・戦時下のハンセン病療養所と入所者《川﨑 愛》

Ⅴ 実践史という視座

・実践史研究の研究方法とその可能性を求めて―岡山孤児院史研究などの経験を通して《菊池義昭》

・英国のボランタリー団体におけるソーシャルワーク実践史に関する研究方法論《三上邦彦》

・一九世紀後半の英国児童福祉実践史研究の方法論に関する一考察―ドクター・バナードーホームの実践史研究の成果を踏まえて《髙松 誠》

Ⅵ 社会史からのアプローチ

・社会史研究からアプローチする社会福祉の歴史研究《輪倉一広》

Ⅶ 史料論

・社会事業史研究の基盤としての史料アーカイブの理論と実践―その現状と今後の展望《野口武悟》

Ⅷ 総括

・戦後社会福祉の歴史研究と今後の展望―機関誌『社会事業史研究の歩みを中心に《元村智明》

著者略歴

編:社会事業史学会創立50周年記念論文集刊行委員会
社会事業史学会=社会福祉の歴史研究を通じ、社会福祉に関する科学的研究を高め、民主主義に基づいた日本社会福祉の進展に資することを目的して活動。毎年、学会大会を開催し、機関誌『社会事業史研究』その他の刊行物を発行する。国内では各地の地域社会福祉史研究会と連携し、また海外との国際学術交流も行っている。会員数は317名(2022年5月現在)。

ISBN:9784863645752
出版社:近現代資料刊行会
判型:A5
ページ数:718ページ
定価:7000円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS