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幻想の公衆  リップマン

訳:佐々木 孝夫

紙版

内容紹介

高名な『世論』(“Public Opinion”,1922)の内容を、より簡潔に、より一般読者を意識して著した続編ともいうべき“The Phantom Public”(1925)の、清新な翻訳が登場しました。
しかも本書は、単なる『世論』の続編ではなく、大衆民主主義のきわどさを冷徹に分析し、『世論』よりもいっそう明確に、強烈に、かつ声高に表現し、結晶化した好著です。
20世紀前半、すでに大国としての繁栄を謳歌していた米国にあって、第一次世界大戦後の「国民国家の出現、大規模産業の発展」を、「現代社会のまったく新しい問題」(第十五章)として冷静に把握し、政治と戦争、デモクラシーとマスメディアを凝視し続けていたリップマンの態度と見解は、100年後の今日、あらためて注目され、精読されるべきでしょう。

目次

『幻想の公衆』トランザクション社版への序文(ウィルフレッド・M・マクレイ)

◆第一部

第一章 :幻滅した人

第二章 :実現不可能な理想

第三章 :行為者と傍観者

第四章 :公衆の役割

第五章 :専制的影響力の抑制

◆第二部

第六章 :アリストテレスの問い

第七章 :問題の本質

第八章 :社会的契約

第九章 :公衆が直面する二つの問題

第十章 :国民的な議論の主たる価値

第十一章:欠陥のあるルール

第十二章:改正・改革の基準

第十三章:世論の基本原理

◆第三部

第十四章:社会の本来の在り方

第十五章:見えざる統治者

第十六章:秩序なき領域

著者略歴

訳:佐々木 孝夫
平成国際大学法学部教授。1968年生まれ、慶應義塾大学大学院法学研究科修了。

ISBN:9784863592780
出版社:一藝社
判型:A5
ページ数:135ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP