霊園から見た近代日本
著:浦辺 登
紙版
内容紹介
幕末から明治をへて昭和初期までのいわゆる近代史の中で頭山満を中心とした《玄洋社》の果たした役割がいかに重要だったのかを正面からとりあげた歴史書は少ない。本書は近代という日本の国家形成期に活躍した人物たちを、青山霊園、谷中霊園、泉岳寺、木母寺、築地本願寺など墓石に刻まれた人脈を《玄洋社》をキーワードとして読み解くことで再検証したものである。
目次
第1章 朝鮮半島をめぐる外交摩擦
青山霊園のあたり/外人墓地から/日清戦争の背景/金玉均の墓所にて
第2章 幕末から西南戦争まで
黒田長溥の墓所から/維新の策源地「延寿王院(えんじゅおういん)」/戦国大名の争奪地「博多」/西南戦争という価値転換
第3章 アジアとの関わり
玄洋社の看板、頭山満/自由民権団体の玄洋社/ロシアの南下政策とヒンターランド構想/宮崎滔天の「落花の歌」
第4章 近代化のはざまで
日露開戦の予言/新興宗教と病気なおし/宮沢賢治という宗教と科学を極めた人/エスペラント語と革命
第5章 日本近代化の総仕上げに向けて
「五箇条の御誓文」という近代化/ハルビン学院と杉原千畝/大杉栄と後藤新平の関係/犬養毅、後藤新平の産業立国主義