夜を着こなせたなら
著:山階基
紙版
内容紹介
さりげない生活の風景、関係性の機微――新時代の空気をうつしとり、鮮やかなデビューとなった第一歌集『風にあたる』から4年、暮らしの手ざわりと明暗をいっそう深く、かろやかに刻む第二歌集。
【歌集より】
いちどきりピアスは耳を突き抜ける別の星から呼ばれるように
もう取っておいても仕方ないけれど総入れ替えの春の台割
頰に雨あたりはじめる風のなか生きているのに慣れるのはいつ
尾を垂らし虎はこころにあらわれるあれから痩せも太りもせずに
くるぶしを波にまかせている夢の浜はあなたと来たことがない
【多方面のクリエイターから絶賛のコメント】
大切な殺気がここにあり、美しく尖ったものに
出会うことはそうそうないことを知ることとなる。――空気公団・山崎ゆかり
目を細め遊ばせて日常をみる眼差しに、
短歌の「歌」が少しわかった気になってます。――キセル・辻村豪文
現代のこころと暮らしを千年先まで伝承する歌集です。
山階さんの才気にむせました。今日は温かくして寝こみます。――古賀及子
イメージから空間に飛ぶジャンプ力が半端じゃない。言葉が自信を湛えていて、誰もいないスタジアムにパンチラインを置いてくるJAY-Zみたいだと思った。俺もかましていくしかない。――没 AkA NGS ラッパー・プロデューサー/Dos Monos
装幀=名久井直子
装画=高山燦基