生き物と食べ物の歴史
著:塚本 学
紙版
内容紹介
飽食とペットブームの昨今だが、本書では日本人が生き物といかに向き合い、食べ物を得ていたか、その歴史を解き明かす。柳田國男に傾倒して日本民俗学の造詣も深い歴史学者の著者が長年、興味をいだき続けた動物と人間、日本社会との関わりを解き明かす論考を収録した本書では、Ⅰ部で政治権力との関係が強くはたらく場面に注視し、Ⅱ部で住民が日常生活の中でいかに動物などとつながっていたかを、Ⅲ部で食料と文化の関係を探ってゆく。
目次
Ⅰ 動物と日本社会
動物と人間社会/綱吉と吉宗―生類憐れみ政策から小石川養生所へ―/犬はひとの鏡/
歴史と民俗にみる近世の馬/ロバが村に入らなかった日本
Ⅱ 生き物と生活
生活文化のなかの動物/江戸の動物たちとヒト―江戸図屏風を手がかりに―/
昔の日本人のみた獣たち/江戸の風流―虫鳥の愛好文化―/鳥を気にしてみると/
愛鳥と食鳥/虫おくりの思想と現代/ちいさな虫の図から/日本人のニホンミツバチ観/
にしん―明治初年の開墾事業に関して―
Ⅲ 食べ物と文化
人間の歴史を食からみる試みについて/江戸時代の食文化/
江戸のみかん―明るい近世像―/江戸のみかん 補遺/ジャガイモと信州文化/
ジャガイモの歴史/海帯と昆布
初出一覧
解 題 笹本正治(信州大学名誉教授)