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日本の水道をどうする!?

民営化か公共の再生か

編著:内田 聖子

紙版

内容紹介

2018年暮れに水道法が改正され、水道事業の運営権を民間企業に売却すること=民営化が可能になった。しかし、水は単なる経済財ではない。水へのアクセスは人権だ。民営化に失敗したヨーロッパや南米などでは、再公営化がトレンドである。専門家、市民運動家、労働組合リーダーが30年間にわたる内外の豊富な事例から民営化の問題点を明らかにし、住民が参画する管理のあり方を探る

目次

第1章 世界の水道民営化の30年――「人権としての水」を確立してきた国際市民社会の闘い                              内田聖子
1 古くて新しい問題
2 途上国に広がった民営化――1990年代の失敗の連鎖
3 民営化の転換と市民社会の攻防――2000年代の変化
4 人権としての水か、新たな民営化か――2010年代の攻防

第2章 公共サービスの再公営化が世界のトレンド         岸本聡子
1 民営化は失敗だった●パリ市(フランス)
2 市民参画を求める再公有化運動●バルセロナ市(スペイン)
3 鉛汚染との闘い●ピッツバーグ市(米国)
4 裁判で勝ち取った公営化●ミズ―ラ市(米国)
5 民営化と最高詠歌のせめぎあい●ジャカルタ市(インドネシア)

第3章 世界と逆行する日本の政策 
1 徹底解剖水道法&PFI法                    内田聖子
2 水道法改正前後の動きと「みんなの公共水道」への模索 辻谷貴文 

第4章 民営化が懸念される自治体
1 結論ありきの「コンセッション導入可能性調査」●浜松市     竹内康人
2 水道民営化に反対する市民たち●浜松市             池谷たか子
3 県民不在の「みやぎ方式」●宮城県               工藤昭彦 

第5章 「公共の水」をどう維持し、発展させるか
1 民営化を阻止できた理由●大阪市                武田かおり
2 広域化で経営を改善し職員は確保●岩手中部水道企業団      菊池昭敏
3 公営水道の再構築ー公公連携、公民連携、住民参画        近藤夏樹

エピローグ 水は自治の基本―未来の公共サービスを創るために    橋本淳司

著者略歴

編著:内田 聖子
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。
自由貿易・投資協定などのウオッチ、政府や国際機関への提言などを行う。
21世紀初頭から水道問題に関心をもち、調査してきた。
共著に『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(コモンズ、2017年)、『TAGの正体――農業も自動車も守れない日米貿易協定』(農山漁村文化協会、2018年)など多数

ISBN:9784861871597
出版社:コモンズ
判型:4-6
ページ数:248ページ
価格:1700円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年08月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQS