学生のためのピース・ノート 2
編著:堀 芳枝
他著:間瀬 朋子
他著:長田 華子
内容紹介
集団的自衛権の閣議決定、日中・日韓関係の悪化や領土問題などが噴出するいまこそ、本来の積極的平和を実現していかなければならない。
本書は、非暴力の徹底、直接・構造・文化的暴力の克服、社会的弱者・当事者の目線から考える、歴史を振り返るという4つの視点から、大学生・高校生向けにわかりやすく説明する。
著者の中心はNGOで活動する若手教員。
目次
はじめに
第1章 私たちがなにをどう食べるかの選択が平和をつくる
インドネシアにおけるエビ養殖の事例から
間瀬朋子
1 様変わりするエビ養殖事情、進むグローバル化
2 エビを「つくる」人びとのエビ食と私たちのエビ食
3 エビ養殖池で働く人たち
4 エビ加工工場で働く人たち
5 エビをめぐる構造的暴力の克服と積極的平和の実現
第2章 低価格の洋服と平和
バングラデシュの縫製工場で働く女性たち
長田華子
1 低価格の洋服を身にまとう私たち
2 私たちが購入する洋服はどこで生産されているのか
3 低価格の洋服を誰がどのように作っているのか
4 低価格の洋服が生み出されるワケ
5 低価格の洋服を追求した結果の悲劇
6 バングラデシュの女性と私たち
第3章 モノから考えるグローバル経済と私たちがつくる平和
フィリピンのモノカルチャー経済からフェアトレードまで
堀 芳枝
1 私たちとアジアの平和ではない関係
2 豊かな国と貧しい国のモノの交換――帝国主義と植民地
3 途上国でモノをつくって先進国に売る――新国際分業の成立
4 私たちがつくるグローバル経済――フェアトレードと民衆交易
第4章 日本と韓国の真の協力関係を考える
李 泳采
1 日韓国交正常化50年と日韓関係の再検証の意義
2 第一次日韓交渉と歴史認識の相違(1950年代)
3 日韓会談と「未完の国交正常化体制」(1960年代)
4 日韓安保経済協力と「反日」市民行動の台頭(1970~80年代)
5 脱冷戦時代の日韓関係の変化と揺れる65年体制
6真の日韓協力関係の構築のために
第5章 平和をつくるために考えてほしい三つのこと
高橋清貴
1 「平和」の定義
2 残忍性のエコロジー
3 「対テロ戦争」の実態
4 なぜ介入するのか?――「安全」と「正義」
第6章 アフリカにおける草の根国際協力とは
コトから考え、行動するために
勝俣 誠
1 言葉の意味を何回も問い直そう
2 アフリカとの偶然の出会い
3 アフリカとの草の根協力
4 アフリカとの草の根協力において大切な2つのコト
5 世界の文脈と地域のしがらみを読もう
第7章 バングラデシュにおけるNGOの活動変遷
援助から社会変革へ
日下部尚徳
1 NGOから考える国際協力
2バングラデシュの現地NGOの活動変容
3 日本のNGOによるバングラデシュ支援――シャプラニールを事例に
4 NGOと私たち
第8章 アジア人、地球人として平和をつくる
ピースボートの活動から
川崎 哲
1 ナショナリズムをこえて
2 国境を越えて学ぶ
3 紛争予防のメカニズムをつくる
4 憲法9条を世界のものにする
5 原発事故を教訓として
第9章 産むか・産まないか
からだと健康をめぐる女性の運動
大橋由香子
1 もし予想外の妊娠をしたら……
2 産めよ殖やせよ、国のため
3 人口の「質」も管理した優生保護法
4 世界規模での人口管理政策
5 リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは何か
6 「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」をめぐる現状と課題
第10章 里山の遺産を活かしたコミュニティの可能性
持続可能な地域づくりの観点から
松村正治
1 山へ柴刈りに
2 高度経済成長期の燃料革命
3 持続可能な里山バイオマスの循環利用
4 生物多様性を保全するうえで重要な里山
5 将来を構想するための里山というモデル
6 現代における里山ビジネスの可能性
7 都市住民が里山保全に関わる意味
8 里山と関わる持続可能なコミュニティづくり
――身近な自然を私たちの手に
あとがき
ISBN:9784861871245
。出版社:コモンズ
。判型:A5
。ページ数:208ページ
。定価:2100円(本体)
。発行年月日:2015年04月
。発売日:2015年04月22日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS。