人文社会科学ライブラリー 2
竹を吹く人々
描かれた尺八奏者の歴史と系譜
著:泉 武夫
紙版
内容紹介
歴史や芸能に興味のある方は、尺八と聞けば虚無僧を連想する。こうした結びつきはいつできたのだろうか。ところが、過去の尺八吹きの生きざまや、当時の社会との関係などを知りたいと思っても、それを解説する一般向けの書物はなかなかない。虚無僧の母体となった江戸時代の普化宗が文書を捏造したため、史実がつかみにくくなっているせいでもある。本書では視点を変え、制作時期がわかる絵画作品に残された尺八吹きの姿をていねいに追ってみる。これに文献資料の読解を加えつつ、古代から近世に至る尺八吹きたちのバラエティー豊かな生態を、歴史文化史的にたどってみたものである。