帰属の美学
板前の国籍は寿司の味を変えるか
著:Jean Lin
紙版
内容紹介
あなたは作品だけを見てその価値を判断できますか?
異国の食べ物はどのようにエキゾチックなのか。そのファッションはどうして革新的なのか。文化的盗用はなぜ問題となるのか。
ある対象をその文脈をふまえながら美的に判断する際のメカニズムについて、芸術作品を含むさまざまな文化現象を例とし考察する。
目次
まえがき
序論
1 帰属的性質の認識論
1・1 帰属的性質と集団相対主義
1・2 集団基準と個人基準
1・3 帰属的性質の種類と機能
1・4 帰属的性質は美的価値をもたらすか
2 文化の境界から生じる価値
2・1 外部者と内部者
2・2 マジョリティとマイノリティ
2・3 制作者の文化的アイデンティティの相対的客観性
3 真正性と道徳性
3・1 真正性の追求に伴う不道徳性
3・2 カテゴリ新設論法
3・3 道徳的価値と美的価値
板前の国籍は寿司の味を変えるか
4 芸術の境界から生じる価値
4・1 芸術の境界の曖昧化と再構築
4・2 類似するカテゴリの内実
4・3 類似性の種類
5 芸術への帰属
5・1 境界事例は複数のアイデンティティを持てるのか
5・2 芸術の制度と機能の相互関係
5・3 境界事例はいつ芸術なのか
5・4 芸術における集団相対主義
結論
あとがき
参考文献
索引